4月1日、秋田市の秋田大学の新たな学長に南谷佳弘氏が就任した。南谷新学長は、県内企業と連携して医療分野の人手不足解消を目指す方針で「情報系の優秀な人材を育て、秋田を豊かにしたい」と意気込みを語った。

 秋田大学・南谷佳弘新学長:
「今まで病院長として病院と医学部を担ってきたが、これからは大学という大きな組織を引っ張っていかなければいけないので、任の重さをずっしり背負っている」

 秋田大学の南谷佳弘新学長は、東京都出身の62歳。2013年に秋田大学大学院医学系研究科教授に就任し、3月末まで副学長と医学部付属病院長を兼務していた。

 南谷学長は、自身が関わってきた医療分野のIT化を今後の課題に挙げ、県内の企業や他の大学と連携して前に進める考え。

 秋田大学・南谷佳弘新学長:
「人手不足は大きい。皆さんあまり感じていないかもしれないが、看護師不足は秋田県のみならず各地方で起きている。育児が終わった看護師は体がきつく、夜勤ができない人が増えている。このままでは近い将来、日本全国で夜に患者を見てくれる看護師が不足するようなところも出てくるので、こうしたことを工学的な技術やセンサーなどを使ってやれるような開発に携われたらと思っている」

 南谷学長は、付属病院内に“IT化のモデル病棟”を設ける構想を練っている。人工知能やセンサーを活用して患者のデータなどを解析することで、その後の医療に役立てる。

 構想に欠かせない情報関連の教育を推し進める「情報データ科学部」を2025年度、新たに設ける。情報データ科学部では、県が取り組む風力発電など、様々な現場で活躍できる人材を育成する。

 秋田大学・南谷佳弘新学長:
「秋田県は地方にあるので、衣食住の環境は都会と比べると生きやすいし物価も安いし住みやすい地域だと思う。ただ、どうしても仕事が都会にあるので若者がどんどん都会に流れてしまう。これから情報関連のシステムができると、秋田のような住みやすい環境に住みながら高度な仕事ができる社会が来るのではないかと思っている。そこをアピールし、秋田県の人口を増やすとか、若者を集めるとか、そうしたことができたらと思っている」

 南谷学長の任期は、2028年までの4年間。

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