小麦粉と片栗粉、米粉の使い分けや、料理の仕上がりの違いを教えてください。  「サクッ」「カリッ」食感に違い  揚げ物などに付ける衣は、食材の水分を逃さないようにし、香ばしい食感を出す役割があります。「小麦粉と片栗粉では食感に違いがあります」。食育教室おやこキッチン(東京)を主宰する古谷(ふるや)真知子さんが教えてくれました。

お好みで 鶏の唐揚げ

 例えば、鶏の唐揚げ。「片栗粉はサクサクと、小麦粉はカリッとした食感に仕上がります」。実際に作ってみると、片栗粉は軽い食感。小麦粉はジューシーで、次第にしっとりする印象です。もみ込んだり、まぶしたりして、両方を使うこともあります。食感の好みに応じて使い分けるといいといいます。  一方、唐揚げを油で揚げずにオーブンやグリルで焼いて作る場合は、片栗粉の方が向いているそうです。小麦粉だと火が通りきらず、粉っぽく残ってしまうことがあるといいます。

小麦粉で サケのムニエル

 小麦粉などをまぶしてからバターで焼く、魚のムニエルはどうでしょうか。味付けのソースを絡める場合、片栗粉は水分を吸いやすく、小麦粉の方が表面のカリッとした食感が保たれるといいます。  唐揚げもムニエルも、調理後すぐに食べる場合、小麦粉と片栗粉であまり差はありません。ただ、時間がたつと片栗粉は衣がはがれやすく、冷めてから食べる場合は小麦粉を使った方が食感が良いそうです。  片栗粉はとろみをつけるときにも使います。かき玉スープなど透明感のあるスープになります。酢豚や青椒肉絲(チンジャオロースー)など中華料理の炒め物は片栗粉を使うことで、つややかに仕上がります。一方、シチューやクリーム煮などはとろみが安定しやすい小麦粉が使われます。

片栗粉で かき玉スープ

 小麦粉は、強力粉、中力粉、薄力粉があります。それぞれ、硬質、中間質、軟質の小麦から作られます。家庭では薄力粉が幅広い用途で使われています。  小麦粉に含まれるタンパク質であるグルテン。「小麦粉の種類はグルテンの量や性質で分かれます」。小麦粉や米粉などを販売するニップン(東京)のお客様センター長・穂坂優子さんが説明してくれました。  グルテン量の多い強力粉はふっくらとしたパンに、グルテンの少ない薄力粉はケーキや軽く揚がる天ぷらなどに使われます。中力粉はうどんなどに向いています。  では、米粉の特徴は。「米粉は油を吸いにくいので、揚げ物はサクッとした軽い仕上がりになります」と穂坂さん。色づきは白っぽくなります。米粉はさらさらなので、ふるいがいらず、使い勝手がいいのも魅力です。「ホワイトソースなどのとろみ付け、ニョッキ、ムニエル、ソテーにも使えます」 (土門哲雄)

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