龍河洞の西本洞コースはひじ当て、ひざ当てが必須だ

高知県香美市に日本三大鍾乳洞の一つとされる「龍河洞」がある。1億7500万年という時間をかけてできあがった国指定の史跡・天然記念物だ。照明や階段などが整備された「観光コース」が一般的だが、夏の時期には地下水が流れる「西本洞コース」が楽しめる。

龍河洞は全長約4キロあるが、公開されているのは一部だ。2021年に公開が始まった西本洞コース(大人2400円)は前日までの予約が必要になる。電話すると「タオルと着替えを持ってきてください」。ずぶぬれになる覚悟を決めた。

鍾乳洞の入り口近くの更衣室でレンタルつなぎ(800円)に着替え、無料貸し出しのヘルメットやヘッドライトのほか手袋、ひじ当て、ひざ当て、長靴を身に着ける。

西本洞ではひざ上まで地下水がたまっている場所も

チェーンがかけられた入り口を入ると、思わず「涼しい」。中は常時14〜16度という。ただヘッドライトの明かりは心細く、足元には水もある。しばらく雨が降っていないので水量は少なめとのことだが、深いところもある。足を滑らせ腰まで水につかってしまった。

少し進むと道が狭くなる。「顔は進行方向、体は横にして腰を少し上げて」。ガイドの岡崎裕斗さんの指示に従いなんとか通過した。段差があるところでははしごやロープがあり、登山をしているかのようだ。ひじ当てやひざ当てに何度も助けられた。

広い空間に出たところで、ライトを消してみた。しばらくしても目が慣れることはない。本当の真っ暗闇と音のない世界を初めて体験した。

「沢ガニがいますよ」「コウモリが飛んでいますね」。岡崎さんが所々で説明してくれる。1センチほどの小さな鍾乳石や、水が渦を巻いて丸く削った穴なども観察する。鍾乳石は100年で約1センチ成長するといい、西本洞は鍾乳洞としてはまだ若い。

西本洞コースは基本1日6回で、各回最大5人までとなる。小学5年生以上が対象だ。約30分間の探検は体も心もリフレッシュさせてくれた。

(冨田龍一)

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