北海道で暮らす働くママの1日を追いかける観察ドキュメント「ママドキュ」。子育ても仕事も頑張りながら働くママさんたちのリアルな1日をのぞくと、限られた時間で家事・育児をこなす究極の時短ワザの連続でした。
今回の主役は、札幌市にある動物病院で獣医師の仕事をしているますみさん45歳。家では12歳、9歳、6歳、4歳の個性豊かな4兄妹と格闘するママです。仕事、家事、育児と大忙しな1日を一体どう両立しているのでしょうか。
午前6時30分、朝食作りは夫婦でキッチンに立ちます。
「長男はうどんと決まってるんですよ。うどんがなかったら(朝食)進まないんですよね」とますみさん。
うどんの具はゴボウ。冷凍のまま使えるトドックのささがきごぼうを愛用しています。パラパラっと入れるだけで栄養も摂れるので、重宝しているのだそう。
4兄弟みんな、食べ物の好みがバラバラ。
だから、兄妹みんなが好きなおかずは大量に作り置きして、少しでも時短します。
「このサラダなら子どもたちも食べてくれる」というのが、ますみさん流のひじきのサラダ。レモンとガーリックの味が食欲をそそるといいます。
医師として働く夫のよしひろさんは、自分自身の2食分に加え、夏休み中の次男のお弁当を作っていました。
「ホントに茶碗洗いが嫌いで」というますみさん。
まな板もいちいち洗わなくていいように、キッチンペーパーを敷いて使うそう。
そんなますみママのベストバイアイテムは、丈夫なキッチンペーパー。
コストコの大人気商品。特殊加工されたペーパータオルは水で濡らしてギュッと絞っても破れず、繰り返し使えて経済的。
気軽に使い捨てできるふきんとして重宝しているそうです。
パパは日をまたぐ夜勤のため、帰宅は翌日。
ここから、ますみさんは1人で家事・育児をこなします。
食べ物の好みもバラバラなら、性格もそれぞれ個性的な子どもたち。
ダウン症の長男ゆうきくんは、とにかく優しい癒し系。
兄妹一活発なサッカー少年、次男じゅんきくん。
中でもママが手を焼いているのは、下の2人。
独特の発想で我が道を行く、三男るきくん。
そして、おてんばで甘えん坊の末っ子まりんちゃん。
8時30分、家を出ます。
夏休み中、ますみさんが仕事の間、長男は児童デイサービス、次男は祖父母の家へ行きます。
三男と長女を保育園へ送ったら、その足で仕事へ向かいます。
ますみさんの職場は、札幌市西区にある緑の森どうぶつ病院。
獣医師としてペットの怪我や病気の診察、治療などを行っています。
動物にも飼い主にも寄り添った安心感を与える診察で、みんなリラックスムード。
的確なアドバイスで不安を取り除きます。
小さい頃から動物が大好きだったますみさん。
獣医学を学べる酪農学園大学に進学し、卒業後すぐに獣医師として働きました。
長男の出産を機に休職し、末っ子が生後7ヶ月のときに復帰。
ママになったことで、より命の尊さを感じながら仕事ができているといいます。
さらに、こんな変化も。
ますみさんに、子育てが仕事に活きているのを感じるか聞いてみると…
「全部受け入れられる。どんな状態も『あるねそういうことね』っていう。『もうなんでこうなの?』とは思わなくなりました。それはもう母になったから。思い通りにいかないあの4人衆。あの方たちのおかげでもうお師匠さんなので」と話してくれました。
お昼休憩には、朝食の残り物を使ったお弁当をわずか10分でかきこみ、すぐに診察を再開。
保育園お迎えの時間ギリギリまで診療にあたりました。
保育園に三男と長女をお迎えに行き、祖父母の家で待っていたゆうきくんもピックアップ。
家に帰ると、夕食の準備。
まりんちゃんもお手伝いしてくれます。
作るのは、子どもたちが大好きな「辛くない麻婆豆腐」。
豆腐は一度塩ゆでして煮崩れ予防。
豚挽肉とみじん切りにした玉ねぎを炒めて、味付けはコクと甘みがある味噌・甜麺醤を使うのがポイント。
水溶き片栗粉でとろみをつけたら完成です。
そしてもう1品は、忙しい日に大活躍の、焼くだけの餃子。
ギュウギュウになりがちな冷凍庫ではなく、冷蔵庫にストックできるチルドタイプがお気に入りなようです。
野菜は作り置きしたひじきのサラダで補います。
ますみさんには今、新たな目標があります。それは悲しみを癒す仕事をすること。
そんな目標を与えてくれたのは、ダウン症の長男ゆうきくんでした。
ゆうきくんを出産した当初は、わが子がダウン症だということをなかなか受け入れられずにいたというますみさん。
「障害のある子だなって見られるというのもあのときは。ダウン症の子って顔ちょっとわかるじゃないですか。なんでベビーカー前に向いてんだろう…『あの人今気づいたよね…』みたいな。すごい小さい世界で今となってはあのときの自分に言ってあげたいんですよ。ほんと楽しいからって。楽しいしかわいいからっていうのは」と話すますみさん。
かわいいかわいい赤ちゃんの時期。
悲しみに暮れて子育ての楽しさを味わえなかった後悔。
「この子が来たことによって得られたもの。自分の人生の見方がもうガラッと変わって。すごい大きな広い視野になった感じがしたんですよね。それがすごいきれいな世界で、優しい世界で。障害児のお母さんだったりとか、すごく今悲しみに暮れている方の(気持ちを)切り替えるきっかけを作る仕事ができないかなと思って」と、同じような人の悲しむ時間を少しでも短くしたいと意気込んでいます。
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