乱戦模様の自民党総裁選、正式な立候補に必要なのが20人の推薦人です。水面下で行われる熾烈な『推薦人争奪戦』を取材しました。

■「5人足りない」水面下の“推薦人争奪戦”

きょう25日、午後。永田町の議員会館では…
(松島みどり衆院議員)「小泉さんとか言っている人もいるし、なるほどね…小泉さんに走る人たちはね…」
自民党・安倍派の松島みどり衆議院議員。
(上川大臣を支持松島みどり衆院議員)「あっちに行っちゃう〜。もうショックだな。大きいな…」
議員事務所で上川陽子外務大臣の推薦人集めのため電話かけをしていました。
(松島みどり衆院議員)「女性の先駆者としてやっぱり上川陽子っていう柱を立てたいじゃん。でしょっ。その思いだって、それに上川陽子だって別にもう今回限りの話なんだから。今度の総裁選にやっぱり女性が、きちっとした女性が立つことって絶対大事じゃない。お互いそれ思っているんだからさ、形に出してよ。ギリギリまで考えて、そのためにもさっきの、そのよその人の推薦人に心ならずもなるということはしないでね。それやっちゃったら、あと剥がせなくなる。いや〜、20って大変やっぱし」
上川大臣と松島議員は2000年に初当選した当選同期。2014年、法務大臣を辞任した松島議員の後任が上川大臣という関係でもあります。
(松島みどり衆院議員)「松島です」
すでに支援する候補を決めている人も多く、推薦人集めは簡単ではありません。
(松島みどり衆院議員)「ぜひぜひ考えていただいて、早めによその推薦人にならないでください。以上お願いです。はい、すいません。失礼します」
Q.みなさん厳しいですね
(松島みどり衆院議員)「事情があるのよみんな。今14、15人はいけていると思うんですね。でもそれも絶えず、絶対大丈夫な人とか電話しないけど。絶えず、それを確認し合っていかないと。最後よそで取り込まれないようにウォッチをし続けること」

22日、都内で行われた当選同期の会合。この場で上川大臣は参加者に支援を呼びかけたと言います。
(外務大臣岸田派上川陽子氏(71))「きょうは同期会の後だからみんなにはげましてもらいましたよ」
Qきょう同席したみなさん上川さん支持で見てよいでしょうか?
「同期だからさ。同期会なので色々な話で盛り上がりました」

この時期行われる地元のお祭り。松島議員はきのう1日だけで、20カ所余りに顔を出したといいます。総裁選への一票を持つ自民党員には…
(松島みどり衆院議員)「上川陽子、どうにか(推薦人)20人集めなきゃいけないからさ」
(自民党員)「松島先生がしっかり推すことが重要」
「そうなのよ そのあとはまたよろしくお願いします」
(松島みどり衆院議員)「お願い事しました。総裁選挙で私は上川陽子さんにぜひ、初の女性総理になってもらいたい」

そして25日午後、上川大臣は推薦人20人の確保にめどがついたと記者団にあかしました。
(外務大臣岸田派上川陽子氏)「いま20人うんぬんの話がございましたけれども、その数字ですね。20名というものをはるかに超える支持というか、いただいているところでありまして、いま推薦人をどなたにということの最後の詰めをしている状況でございます」
自民党の国会議員は、衆参合わせて367人。総裁選に立候補するためにはその中から20人の推薦人を確保する必要があります。      

■「40人→1人」推薦人引きはがしの訴えも

自民党の保守系グループの代表を務める青山繁晴参院議員は23日、出馬の意向を表明した会見で、“推薦人の引きはがし”があったと語りました。
(参議院議員無派閥青山繁晴氏(72))「岸田総理の不出馬表明があった後、強烈な引きはがしが起きまして、僕はなるべくこういうのもありのままに言いたいので40人超えていたんですね。(推薦人)やりたいって人だけですよ。紙に名前書いてもらったわけじゃないけど。何人に減ったかというとですね、和田さん1人になった。でも僕はこんな場ですけど和田政宗議員に、あなた偉いねと。和田さん菅グループですから、菅さんのご意向もあるだろうに、よく最後まで残ってるねと」

水面下では各陣営による推薦人集めの動きが慌ただしくなっています。
Q.推薦人のめどは?
(経済産業大臣無派閥斎藤健氏(65))「それはもうやれます」
茂木幹事長も推薦人20人をすでに確保していて、出馬表明を来月行う方向です。
(幹事長茂木敏充氏)「覚悟を持った決断を近々させていただきたい」
そして…
(元環境大臣無派閥小泉進次郎氏(43))「いくつ?」
(夫婦)「1歳4カ月です」
(元環境大臣無派閥小泉進次郎氏(43))「ちょっと大きめじゃないですか。うちの子いま9カ月」
党内では、現時点で総裁選の“大本命”ともいわれている小泉氏。陣営幹部によれば「支持する議員は今の時点で50人を超えている」といいます。

20人の推薦人を確保し、24日、地元・鳥取県で出馬を表明した石破氏。
(元幹事長無派閥石破茂氏(67))「今度の戦いを政治生活の集大成として、総決算として最後の戦いと位置づけ全身全霊で臨んでまいります」
石破氏の推薦人の1人は参議院のドンと言われた青木幹雄氏の長男、一彦氏です。
(石破氏を支持青木一彦参院議員)「今まで以上にみんな推薦人になるの、(立候補者が)11人ですか、なかなか大変な作業だと思いますので、私は鳥取・島根の代表ということで石破先生の推薦人になるということです。それは自然体でしっかりと20人集まったと思っています」
もう1人は石破氏と同じ鳥取県選出の赤沢亮正衆議院議員。
(石破氏を支持赤沢亮正衆院議員)「推薦人に名前を連ねるということは、応援した人が勝たなければ、ある意味で現職の総理になった方の敵だったということになるので、それはやっぱりそれなり覚悟がないと、みんな推薦人にはなりませんよ」
派閥解消の影響で、これまで以上に推薦人には覚悟が求められていると語ります。
(石破氏を支持赤沢亮正衆院議員)「昔は派閥の親分から君は誰々の推薦人になれと言われて、言われた通りにしていれば親分が今後も可愛がってくれるみたいなね、そういう関係はあったと思います。推薦人に派閥内部に言われたんでなくてなる人たちは、さらに覚悟がある意味いるってことだと思います。それは自民党が変わっていく上でいい変化だと思いますけどね」

8月25日『サンデーステーション』より

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