ターンテーブルを回して音楽をかける「DJ(ディスクジョッキー)」に、どんなイメージを持つだろうか?「DJ」で幅広い世代、特に子どもたちが自由に楽しめる場をつくりたいと活動する音楽家の夫婦がいる。

「DJのイメージを覆したい」

富山市で開かれた『DJワークショップ』。企画したのは、通信制高校に通う生徒たちをサポートする「AOIKE高等学院」で、幅広い世代が交流できる機会を提供しようと開いた。

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その場の雰囲気に合わせて音楽を選び、絶え間なく流し続ける「DJ」。その魅力を知ってもらおうと、講師としてやってきたのが、富山と東京の2拠点生活で、音楽活動・イベント企画などを行う立塚さん夫妻だ。

妻・ナギサさん 夫・タテヅカ2000さん

夫のタテヅカ2000さんは富山・入善町出身で、DJやアーティストとして長く活動を続けている。妻のナギサさんは富山市出身。ワークショップでは、4歳から60代までの参加者が音楽に合わせて体を動かしたり、ターンテーブルを触ったりと楽しんだ。

タテヅカ2000さん:
DJのイメージを基本的な概念から覆したい。太陽とともにやっていきたいなと。みんなが楽しめる健康的なものになればいい。

音楽を武器にコミュニケーション

立塚さん夫妻は4年ほど前から、活動の一環として、子どもたちのためのDJ教室を始めた。

「教育×DJ」を掲げ、特に学校になじめず生きづらさを感じている子どもたちを支援したいと、県内の放課後等デイサービスや適応指導教室などでイベントを開いている。2人は「DJ」だからこそできる支援があると考えている。

ナギサさん:
DJって、楽器ができなくても、喋るのが上手じゃなくても、歌がうまくなくても、自分の好きな曲を披露する自己表現ができるもの。

「人と話すのが苦手」「コミュニケーションが恥ずかしい」という子どもでも、音楽を武器に、人とのコミュニケーションがとりやすくなったりするのだとナギサさんはいう。

この日の参加者の中には、発達障がいの息子を持つ女性もいた。育児に悩む中、立塚さん夫妻の活動を知って、見学に来たのだという。

参加者:
私の息子は障がいがあるんですけど、行ける場所が限られている。人に迷惑をかけてしまったり声の大きさとか、触っちゃいけないものを触っちゃったり、制御が難しい部分があり、行ける場所を選んで連れていくこともある。

女性は、このように会場を貸し切っての原体験は親にとっても必要だという。「感情を爆発させてもいいし、どんな風にやってもいいよ」という場所はほとんどない。だからこそ、そういう場所を「親・大人が作っていく必要がある」と話す。

自身も学生時代に苦悩した経験から

音楽を通して心を開放することで、自分の好きなことややりたいことを見つけて自信をもって生きてほしい。立塚さん夫妻は、そんな願いを込めてこれからも活動を続ける。

タテヅカ2000さん:
こうじゃなきゃいけないっていうのは絶対ない。音楽を通じて機械をさわってみて、きょう感じたことを、どんどん広げていければいい。

この活動は、タテヅカ2000さん自身の経験から

タテヅカ2000さんは自身も学生時代に学校になじめなかった時期があったそうで、その経験から特に子どもたちのための活動をしたいと考えるようになったという。

今後も、支援施設などを中心に「DJ」イベントを続けていきたいと話していた。

(富山テレビ)

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