強い台風第10号は、29日正午現在、天草市付近にあって、1時間に約15キロの速さで北へ進んでいます。中心の気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は55メートルで中心から半径110キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっています。
なぜ台風10号は迷走していて、予報が難しいのか…NST News タッチ・石黒菖気象予報士の解説です。
■ノロノロ台風 予報が難しく
台風10号は進路がよめない状況が続いています。なんでこんなに進路が変わりやすいのかというと、カギを握っているのが「上空の偏西風」です。
まず台風は自分で進路を決めることができず周りの風に流されるように進みます。現在は太平洋高気圧の縁をまわる時計回りの風に流されて進んでいるんですが、その風が弱い影響でノロノロと進んでいます。
そしてある程度北上すると、今度は上空で吹く偏西風にのって流されるので、進路やスピードも変わってきます。
ただ現在、この偏西風の蛇行が弱い影響で、台風が偏西風にいつ乗るのか、もしくはのらないのか予報が難しい状況となっています。
■台風のルートで変わる影響
台風が予報円のどこを通るかで新潟県内への影響も変わってきます。
本州から離れた日本海側を通るルートだとフェーン現象の影響で高温になりやすいです。ただ、現段階として考えられるルートは、本州に近い日本海側を通るルートと、新潟県内を直撃するルート、首都圏などを直撃するルートです。
台風は進行方向の左側よりも右側の方が風が強まる傾向があるので本州に近い日本海側を通るルートだと暴風。
直撃するルートは暴風や大雨の恐れがあり、首都圏などを直撃するルートは、大雨になる傾向があります。
台風が離れていても影響が出る傾向があることを踏まえて備えておいてください。
■台風が来ると思って備えを
台風に備えるにあたって正常性バイアスと言う言葉をぜひ覚えて置いて下さい。これは、すぐ目の前に危険が迫っているのにも関わらず、なぜか自分だけは大丈夫。大したことはないだろうと正当化してしまうことです。
これは誰でも思ってしまうことがあります。そうなると、何かあった後に、まさかこうなるとは思わなかったということになるんですね。
まだ予報が絞り込めていないですが、台風なんか来ないだろうと思わずに台風が来るかもしれないと思って備えておくようにしてください。
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