気象庁は徳島県北部に『線状降水帯発生情報』を発表しました。

■徳島県北部に『線状降水帯発生情報』

29日午後6時45分現在の状況を、徳島市から中継でお伝えします。

【記者リポート】「JR徳島駅前からお伝えします。先ほどから急にかなり強い雨が降り始めました。強風や大雨で体が持っていかれてしまうような瞬間もありました。時折、雷の大きな音が聞こえています。急に雨が降り出したことで、お帰りの時間帯の皆さんはかなり混乱している様子が見られました。ビルや駅前のロータリーで呆然とした様子で雨宿りをしている方の姿が多く見られます」

「徳島県北部にいる方で崖や川の近くなど危険な場所にいる人は地元自治体の避難情報に従い直ちに適切な避難行動を取ってください」

徳島県北部では線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いていて、命に危険が及ぶ土砂災害や洪水が発生する危険性が急激に高まっています。

周囲の状況を確認して、避難場所への避難が危険な場合は少しでも崖や川から離れた建物や、浸水しにくい高い場所に移動するなど、身の安全を確保してください。

■徳島県のあたり南北に連なる非常に発達した雨雲

【片平敦 気象予報士】「雨雲の様子ですが、29日午後6時の時点で台風本体の雨雲は九州にありますが、徳島県のあたり南北に連なっている非常に発達した雨雲が現れてきたんです。これが『線状降水帯』ということで、災害の危険度が急激に高まっている状況になっています」

「台風は九州北部の広い範囲を暴風域に巻き込みながら、東の方へだんだんと進路を変えつつある状況です。速度が遅いということで、31日(土)にかけてもまだ近畿の近くにようやくやって来るかという状況。その後、9月1日(日)になっても、予想進路の予報円が大きくほぼ同じような場所にあるので、この土日にまた台風が速度を遅くして、近畿地方の近くに居座る恐れもあります。週が明けてから、進路を東寄りあるいは北寄りに変えて、だんだん近畿から離れていくところですが、土日月の3日間、近畿地方は台風の近くになる恐れがあります」

「雨雲の様子を29日朝から見ていきますと、台風本体の雨雲はぐるぐると九州の西の方を北上してきているんですが、その東側、四国あるいは近畿、東海地方にも発達した雨雲がやってきています」

「徳島県のあたりから香川県にかけて非常に発達した雨雲が南北に並んでいます。非常に発達した雨雲が列をなしてしまうと災害の危険度が急激に高まるということで、先ほど気象台から『顕著な大雨に関する情報』が出ました。
これは線状降水帯が発生したので、厳重な警戒をしてくださいと呼びかける情報です。命に危険が及ぶ土砂災害や洪水が発生する危険度が“急激に高まっている”ところです。

線状降水帯が発生している徳島県の北部では命に危険が及ぶような状況が今まさに起きている状況ですので、一刻も早く安全な場所に身を移すようにしていただきたいと思います」

【片平敦 気象予報士】「徳島県には『記録的短時間大雨情報』が出ました。これはその地域で数年に1回しか降らないような猛烈な雨が今まさに降った時に発表されるもので、予想ではなく、今まさに災害が起きてもおかしくない非常に危険な状況になっています」

「どれぐらい危険な状況になっているのか、気象庁のホームページで『キキクル』というページを見ると危険度が分かります。スマートフォンなどで見ることができますのでぜひ確かめてください。『キキクル』で徳島県のあたりを見ますと、神山町や佐那河内村のあたりが紫色の表示で、1時間ぐらい前に比べて急激に範囲が広がっていますので、この地域はまさに災害が発生する状況が差し迫ってきています。一刻も早く安全な場所に身を移していただきたいと思います」

「周りの様子が気になって川を見に行きたいと思う方がいるかもしれませんが、絶対に危険な場所には近づかないでください。
川の様子はライブカメラで見ることができるものもあり、例えば佐那河内村のライブカメラで川の様子を見ますと、水位が上がってきています。
一部道路に水が超えてきている状況で、災害の危険性が急激に高まっていると思います。命の危険が差し迫っている地域がありますので、どうぞ身の安全を最優先に行動してください」

【片平敦 気象予報士】「『キキクル』で黒いエリアがある程度以上広がってくると、場合によっては大雨の特別警報が出る一つの目安になっているぐらいです。現在、香川県、徳島県のあたりは命の危険が差し迫っていると思ってください。すでに川があふれているところがあってもおかしくありません。あるいは土砂災害が発生していてもおかしくありません」

「そういった命の危険が今まさにあなたの近くで起きてもおかしくない状況ですので、一刻も早く安全な場所に身を移すようにしていただきたいと思います。例えば建物であれば1階ではなくて2階、あるいは崖や斜面の近くから離れて、安全な場所に身を移すこと。すでにあたり一面が水に浸ってしまっている可能性もあります。基本的には水に入るのは非常に危険なので入らないでいただきたいのですが、自分がいる場所で命を守るためにどういった行動が一番安全なのか、お一人お一人が考えて行動していただきたいと思います」

「記録的短時間大雨情報が徳島県鳴門市付近にも出まして、1時間に220ミリというとんでもない雨が降っている状況です。これが出ている地域はすでに災害が発生していてもおかしくない非常に危険な状況ですので、命を守る行動をぜひ地域の皆さん声をかけあって、地域の力で命を守るように行動していただきたいと思います」

■危険度が高い「土砂災害警戒情報」徳島で範囲広がる

【片平敦 気象予報士】「この時間の警報です。大雨警報が広い範囲に発表中です。洪水警報が徳島県に発表中という状況で、川の増水・氾濫の危険性が高まっている地域もあります。また波浪警報も出ていて、台風の影響で徳島県南部は波が高くなっている状況もあります。海にも決して近づかないようにしてください」

「そして大雨警報よりもさらに危険度が高いときに出されるのが、『土砂災害警戒情報』です。この数時間でどんどん範囲が広がっている状況で、命の危険が迫っている状況になっています。ハザードマップなどで自分の家の近くに危険な場所がある地域にお住まいの方は一刻も早く命を守る行動を心がけてください」

【片平敦 気象予報士】「30日の天気ですが、近畿地方は引き続き雨が降ったり止んだりで、降るときには雷を伴って非常に激しい降り方になる恐れがあります。すでに災害の起こっているような地域があると思うんですが、それと同じような危険な状況が30日も起こってもおかしくありません。きょう大丈夫だった地域でも、油断をせずに、万全の対策を取っていただきたいと思います」

「そして気温です。30日のポイントの一つは気温が高いところです。雨が降るのに最高気温34度前後でかなり蒸し暑いですので、暑さ対策もしっかりしてください」

夜に雨が強まるところもあります。お一人お一人が命を守る行動をお願いします。

(関西テレビ「newsランナー」2024年8月29日)

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