特集は新たな夏祭りです。この春、中学校が閉校した長野市の七二会地区。住民が減る中、地域を盛り上げようと住民有志が、2023年に続き夏祭りを開催しました。企画した一人は中学校最後の卒業生の父親です。


■小学校のグラウンドで「夏まつり」

射的に、輪投げ。

かき氷も。


長野市の七二会小学校のグラウンドで開かれた「夏まつり」。

住民や帰省した人などでにぎわいました。

須坂市から:
「みんなすごく元気があって楽しい」
「夏で暑いですけど、いろいろなものがあって楽しいです」


■中学校の閉校が開催のきっかけ

日が暮れてからは、盆踊り。

「夏まつり」は2023年に続きこれで2回目。住民有志が実行委員会を立ち上げ、準備してきました。


企画した実行委員長の青木栄樹さん(43)。

七二会夏まつり実行委員長・青木栄樹さん:
「やっぱり最高ですね。七二会にこれだけの人が集まるというのは、なかなかないことなので。これが夏の風物詩、七二会で毎年やる風物詩になるのを願い、続けたいと思います」

地域を盛り上げ、絆を確かめ合う祭り。実は、青木さんの娘が最後の卒業生になった中学校の「閉校」が開催のきっかけでした。


■人口減少と少子化進む七二会地区

犀川から陣場平山にかけて集落が点在する七二会地区。50年ほど前まで3000人余りいた住民は現在、1301人(8月1日現在)です。

14歳以下の子どもは54人。人口減少と少子化が進んでいます。


■1年前、閉校前の記念事業で企画

地元の七二会中学校はかつて300人ほどの生徒を抱えていましたが、一つの学年で数人となり、2021年、閉校が決まりました。

閉校を前に思い出をつくろうと開催されたのが2023年の「夏まつり」。中学3年生の娘がいた青木さんたちが閉校の記念事業として企画しました。

夏まつり実行委員長・青木栄樹さん:
「地域としても非常に寂しい思いの中で、新たなスタートという意味合いを持ち、本当にいろいろな世代で、交流ができる場所をつくりたいなと。この夏まつりで少しでもにぎわい、思い出がつくれたらと」


■中学校最後の卒業式

中学校最後の卒業式。

2年前から新入生は近隣の中学校に進学しており、在校生はいません。3年生6人は保護者や地元住民に見守られ、巣立っていきました。


卒業生・青木さんの三女・優依さん:
「最後の卒業生がこの6人で良かったなと思う。自分をしっかり持って高校生活を送りたい」

■交流の場に!この夏も開催

8月12日―。

この夏も企画された祭り。2023年の開催が好評だったこともありますが、かつて集落ごとに行われていた盆踊りが住民の減少やコロナ禍でほとんど行われなくなったことも背景にあります。

夏まつり実行委員長・青木栄樹さん:
「この時期ちょうどお盆始まりということで、帰省する人たちにも参加してもらいながら、おじいちゃん、おばあちゃん、地元の人たちの交流の場というのが一番の目的として開催」


2023年を上回る人が訪れました。

住民(80代):
「おいしいね。こういう所で食べるのが一番おいしい。(普段は)こういう若い人たちがいなくてさみしいよ。このように七二会もみんないれば、こんなにうれしいことないと思う」

須坂市から帰省(40代):
「活気があり、すごく楽しい祭り。友達いれば集まったりするけど、学校まではなかなか来ない、久しぶりで楽しかった」


■中学校最後の卒業生も再会楽しむ

中学校最後の卒業生も訪れ、久しぶりの再会を楽しんでいました。

卒業生・青木さんの三女・優依さん:
「会うのも久しぶりで、七二会中学校のグラウンドに来るのも久しぶりだからうれしいし、楽しい」


夕方、残りの3人も合流ー。

中学校最後の卒業生・小柳勇斗さん:
「最初来た時、話せるかなと距離を置いていたので、やっぱり半年くらいでは変わらなくて、話せて、自分が心配していたのがバカみたいで、話が通じ合って面白いですね」


■夜は盆踊りと花火

午後7時、やぐらを囲み盆踊りが始まりました。運動会などで踊られてきた「陣場平音頭」などが流れ、子どもからお年寄りまで盆踊りを楽しみました。

孫・千曲市から:
「楽しい。踊ったことがある曲があったので楽しい」

祖母(70代):
「久々に孫と踊れて楽しかった」

住民(80代):
「最高に楽しかった。これが毎年続けばいいなと思う。皆さんと触れ合うことも大事だから」


そして、祭りの最後はー

七二会にちなんで72発の花火が夜空にー。

■長く続け、つながりできれば

地域にもたらされた久々のにぎわいと、それぞれの胸に刻まれた夏の思い出。青木さんたちは夏まつりを長く続けたいと考えています。

夏まつり実行委員長・青木栄樹さん:
「お祭りというコンテンツを使い、みんなのつながり、世代を超えたつながりができれば、本当に最高なイベントになるのかなと改めて感じた1日になりました。来年またこの場でみんなとお会いしたいなと思いました」

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