ダンス・紙芝居で分かりやすく
海洋ごみ問題や環境保全への意識を養ってもらおうと、群馬県立大泉高校JRC(青少年赤十字)部の部員10人が8月30日、太田市龍舞町の休泊児童館で、児童らを対象に出前講座を開いた。海の汚染やペットボトルキャップを回収してポリオ(小児まひ)ワクチン代に充てる活動などを、紙芝居やダンスで分かりやすく説明。「海のない群馬も無関係ではない」とごみの分別などを呼びかけた。
出前講座には小学1~6年の児童35人が参加。生徒らはカメの体内から海洋プラスチックごみが見つかった話を基に製作した紙芝居を披露し、海洋ごみの削減を訴えた。
その後、ポリオで亡くなる世界の子どもを救うには、年間8億個のペットボトルキャップが必要と紹介。オリジナルのダンスを児童と一緒に踊るなど、楽しく教えた。市立休泊小5年の松沢ひなさん(11)は「ごみを捨てると生き物が苦しむことが分かった。家族にも教えたい」と話した。
出前講座は、5月に大泉町の職員から環境問題について講義を受けたのがきっかけ。子ども世代にも発信したいと、生徒らが企画した。紙芝居を担当した渡辺夏凛さん(1年)は「子どものリアクションは良かったので、思いは伝わったと思う」と評価。高谷菜心(なつみ)さん(3年)は「活動を通して環境問題が自分事として考えられるようになった」と笑顔を見せた。
授業でごみの分別活動などを実践した経験がある顧問の田村久美子教諭は「町が子どもの中に入って環境問題を啓発するのは難しい。生徒ならその役割を担える」と語った。【湯浅聖一】
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