イメージ写真=ゲッティ

 茨城県常陸大宮市教育委員会は2日、市立中学校で2025年度から使用する歴史と公民の教科書について、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆した自由社版を採択したと発表した。自由社によると、公立校で同社の教科書が採択されたのは09年の横浜市以来15年ぶり。

 常陸大宮市は、これまでひたちなか市、那珂市、大子町、東海村とともに教科書を共同採択していた。しかし、22年に「故郷を愛し、故郷を慈しむ『郷育(きょういく)』の推進」などを掲げた「第2期市教育大綱」を策定したことなどを受け、「市の考え方にあった教科書を採択したい」(小野司寿男(しずお)教育長)として今回単独での採択に切り替えた。

 市教委は教科書選定に向けて教員らでつくる委員会を設置し、教科ごとに調査研究した後、教育長ら5人で構成する教育委員会が議論して採択を決めたという。採択の理由について、歴史は「時代の特色と世界の動きを概観できる」、公民は「日本の科学・芸術・宗教について、学習を深める工夫が見られる」などとした。

 小中学校の教科書採択は原則4年に1度行われることから、小学校の教科書は28年度以後使用するものから市単独で採択する見通し。【田内隆弘】

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