京都の鴨川の川の中をよく見ると「茶色の木箱」がある。

これが何か知っているだろうか?

実は…「アユ」が遡上するために作られたものなのだ。

生まれてからおよそ100キロの旅をするアユ。その手助けをする活動を取材した。

■鴨川にアユの遡上の手助け“魚道”設置

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4月下旬、京都の鴨川には、多く人たちの姿が。

京の川の恵みを活かす会 竹門康弘代表:本日は天気も良く快晴。魚道日和。

集まっていたのは、地元の漁師や生き物の環境問題を研究する専門家たち。

用意した木材に書かれていたのは…「AYU FISH WAY」。

京都の夏の風物詩、「アユ」が通るための“魚道”を作る。

京の川の恵みを活かす会 竹門康弘代表:見てください、これ落差が70センチ以上、この落差は上れない。人為的に魚の道を作ることで、のぼらせてあげようと。

春から夏にかけ、川の上流を目指し遡上するアユ。

しかし、大きな落差があるとのぼれないため、木箱の中には階段のような仕掛けが作られていて、ここを通ると遡上しやくなるという仕組みだ。

■アユ往復100キロの旅

ところで皆さん、鴨川のアユはどこからやって来るか知っているだろうか?

京の川の恵みを活かす会 竹門康弘代表:大阪湾から1カ月近く旅をして、ここまで来ます。

鴨川のアユは毎年、秋になると産卵する。

卵からかえった子アユは、鴨川をくだって淀川を通り「大阪湾」へ。

大阪湾で冬を越し、春になると、きれいな浅瀬を目指し遡上する。

その途中には、大阪・ミナミの「道頓堀川」も通るそうだ。

そして、夏ごろ鴨川などにたどり着き、産卵して一生を終えるという、往復100キロの旅をしているのだ。

■本当に大阪湾から来ているのか…?「DNA」を調べると

本当にそんなにも移動しているのだろうか。

「DNAを調べたら、大阪湾から来ているのか分かる」ということで、7月末、三条付近で10尾のアユを捕獲してもらい検査機関で調査してもらいました。

アユの尾びれからDNAを抽出し、入念に調べる。

現在、鴨川には、琵琶湖のアユも放流されているため、湖から来た「湖産アユ」の可能性もあるのだが、果たして結果は?

10尾とも「海」から来た可能性が高いという判定に。

大阪湾から来ているのは、どうやら本当のようだ。

■水害を防ぐ整備でアユの数が激減 遡上を手助けする取り組み各地でスタート

しかし、賀茂川漁協によると、およそ70年前に比べると、鴨川にいる大阪湾から来たアユの数は激減しているそうだ。

賀茂川漁協組合 澤健次組合長:自然に循環して、海のやつだけでも十分まかなえるくらいアユがいたらいいけど、色々問題があって、なかなか増えていない。

原因の1つには、水害を防ぐ整備をしたことで、アユが大阪湾から遡上しにくくなってしまったことがあるという。

そこでアユの遡上を手助けするための取り組みが各地で始まったのだ。

大阪・梅田か2キロほどの場所にある“淀川大堰”では、右岸と左岸に魚道を設置。

淀川と大川をつなぐ「毛馬水門」では、毎年5月から6月にかけて、水位を調整して落差を無くしている。

そして、鴨川ではあの木箱の魚道を。

7月、長い旅を経て三条大橋付近まで到着したアユの姿が。

「魚道」もちゃんと使っている。

アユが過ごしやすい環境を作ることは、ほかの生物の暮らしやすさにもつながるといい、改善に向けた取り組みは、今後も行われる。

(関西テレビ「newsランナー」2024年9月5日放送)

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