名古屋市立笹島小・中学校(同市中村区)に夜間中学校「市立なごやか中学校」が2025年4月に開校することを受け、夜間中学について理解を深める市民説明会(市教委主催)が7日、同市内で開かれた。毎日新聞論説委員の小倉孝保記者(60)が講演し、夜間中学の役割や魅力を語った。
小倉記者は3年前に取材で出会い、64歳で夜間中学に通い始めた男性の実話をつづったノンフィクション「35年目のラブレター」(講談社)を執筆。同書は来年3月に笑福亭鶴瓶さん主演で映画化される。
講演では著書で描いた男性の半生を紹介。男性は貧困などで学校に通えず、読み書きができないことで職場などで多くの苦労を経験しながらも、長年連れ添った妻に感謝のラブレターを書きたくて、20年間、奈良県の夜間学校で学んだ。
「結婚と夜間中学で人生が変わった」という男性の言葉から、小倉記者は「学校で学ぶことは基本的人権の大切な一つで、国や自治体が保障しなければならない。私たちも生きづらさを抱えている人に気づいてやることが、人の幸福につながる」と語った。
講演後は小倉記者を囲んで教育に関心のある学生との座談会も開かれた。【真貝恒平】
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