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7日に告示された立憲民主党の代表選挙は、枝野幸男前代表、野田佳彦元総理大臣、泉健太代表、吉田はるみ衆議院議員の4人による戦いとなりました。

野党転落から12年。今、政治とカネの問題で高まる政権への批判、その受け皿となれるのか。早期解散論が浮上するなか、巨大与党にどう対峙するのか。候補者4人の本音に迫ります。

■代表選で各候補が訴えたいこと

各候補は今回の代表選でこのようなビジョンを掲げています。

枝野幸男前代表:人間中心の経済(ヒューマンエコノミクス)
野田佳彦元総理大臣:政権交代前夜
泉健太代表:日本を伸ばす
吉田はるみ衆院議員:教育×経済=国民生活の底上げ!


(Q.泉さん、『日本を伸ばす』ということですが)

泉健太代表
「私たち立憲民主党は追及力も、あるいは国会の論戦力も伝わってるとは思うんですね。ただ、今の立憲民主党に必要なのは、この国を前向きに進めていくというビジョンだと思います。それが『日本を伸ばす』。1つは国内の食糧の自給率、そしてエネルギーの自給率を高めていく。そして教育の無償化をして、若い世代や子育て世代を支援をする。さらに、生活向上ということを訴えて、介護や保育の方々の待遇を改善する、全体の賃上げ。そういったビジョンをしっかり伝えていきたい。さらには今、NISAに取り組んでいる方々が非常に多いですが、立憲民主党は金融や経済に対しても前向きだという姿勢を出していきたい。個人や一般の皆さんの資産形成を強力に応援していきたい。そういうメッセージも込めて『日本を伸ばす』と定めました」


(Q.立憲民主党は分配の政党のイメージがありますが違うわけですね)

泉健太代表
「そうですね。分配か成長かで、常に分配役に回ってきたことをむしろ克服したいと思っています。やっぱりこの国を愛しているし、この国の未来が豊かでありたいと思っているので、持続可能性や自然との共生、そういう観点も大切にしながら、自民党のような新自由主義の規模主義、効率主義じゃない持続可能な経済を作っていくのが立憲民主党だと訴えたい」


(Q.吉田さん、『教育×経済=国民生活の底上げ!』について分かりやすく教えてもらえますか)

吉田はるみ衆院議員
「教育と経済で人の力を引き出していきたいという思いがここに込められています。政治にも社会に閉塞感が漂う一方、生きづらい思いを抱えている若い世代が多いです。私は地域や経済的事情で学びを諦めなくていい教育の無償化、そして給食費の無償化、あらゆる子どもたちを支援する教育、公の教育でしっかり学びたい子は学べるんだよ、自分の選択肢があるんだよ、その社会を作り、エネルギーを作り、それがイノベーションを起こし、経済に結びついていく。教育と経済は一体、私はそう考えています。そして目の前の物価高の生活苦。ここにはやはり生活の底上げが必要だと思います。その中でもやっぱり最低賃金。1500円を全国一律で実施していきたいです。このままでいくと、あと10年かかるんです。ここをなんとか克服していく。国民生活の底上げ。これを実行していきたいと思います」


(Q.枝野さん、『人間中心の経済』としていますが、今の経済は人間中心になっていないということですか)

枝野幸男前代表
「この30年、日本の経済が停滞してきた原因は、一人ひとりの個を大事にすることなく、目先のプロジェクト、すぐに金になりそうなところに金をかけてきた。実際に教育がまさに経済力で教育を受けたくても受けられない人がたくさんいる。例えば研究開発も、その支え手であるはずの若手の研究者が食べていけない。こんな状況を作ってしまった。すそ野が広いから山が高くなるんですよね。その裾野をどんどん細らせてきた。徹底して人に投資をすること。人に投資するというのは、例えば社会保障も、お金の問題はあるけれども、一番大事なのは支え手の皆さんが重労働で低賃金で人手不足。こうした徹底して人に着目をして投資をすることによって、日本経済は回復すると。このことを訴えていきたいと思っています」


(Q.野田さん、『政権交代前夜』には“むき出し”というか、取ってやるぞという迫力みたいなものを感じますが)

野田佳彦元総理大臣
「これは今回の代表選挙の位置付けなんです。世論調査いろいろありますが、自公の継続と拮抗して、野党中心の政権作りが必要だと。あるいは政権交代に賛成だという世論も非常に多いです。こういうことはめったにないと思います。私たちが政権を取れたのは93年、政治改革がテーマの時。それから2009年の民主党中心の政権の時。十数年に1回巡ってくるかどうかというチャンスだと思います。これはもちろん政治とカネの問題の自民党の不祥事があって、自民党の支持が下がってきたということが大きい要因でありますけど、こういう時に皆で心合わせて力を合わせて、取りに行かなければいけないと。まさに総選挙は近いかもしれない。まさに『政権交代前夜』の心合わせをするための代表選挙であると思います」

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■政治とカネ・保守層・政権奪還

■政治とカネ・保守層・政権奪還

(Q.皆さん衆議院選挙が近いと考えられてると思います。自民党総裁選で誰が新総理・総裁になるか分かりませんが、小泉進次郎元環境大臣や石破茂元幹事長が早期の解散・総選挙に言及しています。これに大義はあるのでしょうか)

野田佳彦元総理大臣
「ものすごくおかしいと思う。特に小泉さん。改革を1年以内にやるっていっぱい言ってるでしょ。選択的夫婦別性とか。1年以内にやるっていうと、任期はあと1年あります。今、衆議院も参議院も自公のが多いじゃないですか。やろうと思えばできるじゃないですか。なんでそこで解散するんですか。疑似政権交代でごまかそうということじゃないですか。1年以内だったら我々議論つきあいますよ。あえて早く信を問えって言いません。選択的夫婦別姓に我々は賛成なんだから。究極の矛盾だと思いますよ」

泉健太代表
「自民党で次々と立憲民主党が言ってた政策を言おうとしてるんですね。本当おもしろいというか、立憲自民党になりつつあって。ただこれ逆に言うと、僕らがすごくやりやすくなってるんじゃないかなと思っていて。彼らが賛成するというんだったら、立憲民主党がもともと訴えてきたことですから。こっちに起源があるし、考え方もまとまってますから、賛成するって事ですねっていう話なんですね。防衛増税をやめるのも賛成、選択的夫婦別姓も賛成、そして政策活動費を止めるのも賛成するということです。そういう意味では、ぜひ安心して立憲民主党に政権を任せていただきたいと。そうすれば必ず自民党も賛成して実行できることになります」


(Q.吉田さん、政治とカネの問題について、立憲民主党はお手本を示していかなければならない。どういう模範を示していきますか)

吉田はるみ衆院議員
「やっぱり一番は、公開が国民の皆様にとって一番納得できることなんではないかなと。おもうんですね。民間企業は全領収書を出して会計をしています。なぜ政治だけが領収書のいらない政治活動費があるのか。どうしても納得できないという国民の方が多いと思います。政治活動費の領収書なし、こんなの今すぐ廃止しなきゃいけない。でも結局そこにも踏み込まず、信を問うというのは、私は違うんではないかなと思います」


政策活動費は、政党が議員に支出する政治資金で、公表義務がなく、領収書がいらないお金でした。法改正されましたが、改正後も具体的な公開方法は先送りになっていて、在り方が問われています。自民党総裁選では、小泉元環境大臣と茂木敏充幹事長が廃止を明言しています。


(Q.枝野さん、立憲民主党の政策活動費はどうなっていますか)

枝野幸男前代表
「廃止を決めています。我々はこんなことやらなくたって十分できますから、金額は桁違いに少ないですが。こんな裏金を堂々とやってるような世界ですから、これはもうやめるべきだし、本当にやめるんだったら法改正しましょうよ。裏金議員の皆さんの問題にしろ、今、総裁選挙だから言ってるけれども、言いっぱなしで解散をしたら“選挙終わって勝ったんだから、もう俺たちは禊(みそぎ)が済んだ”と必ずなります。臭いものにふたをして表紙だけ変える。今、自民党の中は残念ながら腐ってるんですから、腐ってるものにふたしたら、もっと腐るんです。これは絶対許されない。もう1つだけ、早期解散の話。今、国民生活は物価高で大変です。予備費もだんだん足りなくなってきています。どう考えたって今、補正予算を組んで、国民生活、当座を何とかしのいでもらうためのことをやらないで解散するというのは、国民生活の無視だと思います」


(Q.野田さん、自民党が政治とカネの問題から脱却できない理由の1つに世襲の問題があると、繰り返し発言していますね。世襲を制限するといいますが、具体的にどうしますか)

野田佳彦元総理大臣
「政治資金は非課税じゃないですか。その非課税のお金を、例えばたくさんパーティーをやって、お父さんがいっぱい貯めたと。例えば岸田さんは、2022年だけで7回パーティーやって1億5000万円のパーティー収入。貯まっていったお金は非課税ですから、誰かが政治団体を相続した時に相続税がかからずに受け継ぐことができます。圧倒的に他の地盤・看板・かばんのない若い人材にとっては大きなハンデになります。政治資金規正法でそういう相続を認めさせない、政治団体を相続できないようにするところから1歩を始めなければいけない」


(Q.泉さん、自民党の歴代総理には世襲が確かに多くいます。世襲で政治資金を引き継げる人たちと、立憲民主党あるいは民主党時代からやって来られた方々は、最初のスタート地点が違うような気もしますね)

泉健太代表
「全然違いますね。僕も最初立候補した時、色んな人たちからお金を出していただいて何とか立候補できました。手持ちなんか全然ないですよね。地盤・看板・かばんもない状況なので、そこは全く違う。党首討論で岸田総理とやった時も、岸田総理は年間2億円集めてて“だから若い人たちも金を集められるように規制はすべきじゃない”って彼らは言ったんですよ。全く真逆で。我々はそんなお金を集めて競争なんかできないので、我々はむしろお金を集めすぎる政治をやめましょうって言っています。そうじゃないと、本当に新しい人材が入ってこない。こんなお金のかかる政治じゃ有能であっても立候補できない。それこそ、この国の人材がどんどん枯渇して、国会に新しい人材が入らなくなって、国会そのものの質も落ちていくことになります。お金をかけなくてもいい政治を作るっていうのを目指したい」


(Q.吉田さんは当選1回目ですよね。最初の選挙はどうでしたか。お金かかりましたか)

吉田はるみ衆院議員
「私自身は政治資金パーティーもやらない、企業団体献金も受け取らないという立場で、個人の方のご寄付だけでやってまいりました。これができたのは、私は地域の皆様でボランティアの方々が支えてくださったからです。これができる地域もあれば、1回家を出たら2泊3日で回らなきゃいけない地域もある。様々な地域の事情があるというのも現状だと思いますが、私が1つ強調したかったのは、政治とカネの問題は女性議員がなかなか誕生しない問題でもあります。地盤やお金を受け継いでいける方はいいんですが、ある意味、素手で政治の世界に挑戦しようという女性は、お金もどうする、生活もどうする、落選したら何の保証もない、誰が挑戦しますかという形になる。実はこのお金がかかる政治っていうのは、女性が政治に挑戦できない大きな重しにもなっていると思います」

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■“政権奪還”への道筋は

■“政権奪還”への道筋は

今のような問題を解消していきながら、衆議院選挙に向かうことになります。ただ、立憲民主党はまだ候補者の擁立が足りてない現状もあるようです。

現在衆議院の定数は465です。そのなか、立憲民主党(会派)は99議席、過半数の233はかなり遠い数字となっています。現時点で次の衆議院選挙で擁立を決めているのは約190にとどまっている状況です。


(Q.泉さん、実際に今190ぐらいですか)

泉健太代表
「そうですね。前回選挙で96になって、そこから補欠選挙で3つ勝って99人となっています。自民党と立憲民主党では資金の差があまりに違いすぎるし、向こうは選挙基盤がものすごい強い中で戦いに挑んでくれるってドンキホーテみたいなものなんですよ。それを簡単に言っていただくのは無理で、本当に皆さん人生かけて大きな自民党に戦いを挑もうと志を持ってやっているので、この190も相当な数です。実は他にも20名ほどは大体めどがつきつつあって、それに加えて、仲間である国民民主党は20〜30の候補者を用意しているという現状があります。そういったものを加えると過半数233人を超えてくる。そこまで見えてきている状態です」


(Q.国民民主党の20〜30というと、選挙戦で連携をしていくことに皆さん異論はないですね)

枝野幸男前代表
「できるところはやるべきだと思います。例えば、埼玉県は完全に連携してできる構造も私地元作ってますから、大部分のところはできると思ってます」


(Q.そこは痛い経験があって、かつて野党連携ばかり話題がいきました。特に共産党との連携が前面に出て、保守的な方々も離れていきました。。枝野さんは今回、保守的な部分を取りに行くと言っていますが、そこら辺の重心の変え方はどうですか)

枝野幸男前代表
「私はどの党との関係がどうこうっていう話じゃなくて、まず政権を我々目指すんですよ。政権を預かってもらったら、回してもらわなきゃいけないわけです。それが自力では政権取れません、他の党の協力もらわないと勝てませんという姿勢がちらついたのでは、そもそも国民の皆さんから私は期待してもらえないと思います。それからそもそもが全部きちっと連携なんかできないわけですよ。例えば維新さんと大阪でできるわけがない、共産党と京都でできるわけがないと。地域ごとに色んな経緯と事情に応じて、できるところは最大限やる。だけれども、あくまでも私たちは私たちの理念を掲げて、これで日本を良くするんだという自信を持って訴えることが軸にならないと、なかなか国民の期待は集められないというのが、私の得た教訓であり、そういう姿勢で頑張っていきたいと思います」

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■連立を組むならどこ?

■連立を組むならどこ?

(Q.踏み込んで聞きたいのですが、仮に自民公明を過半数割れに追い込んだとします。実際に連立政権作る時に、どの党は相容れず、どの党までなら相容れることができるのか。国民民主党については聞きましたので、それ以外の野党から聞いていきたいと思います)

野田佳彦元総理大臣
「自前の政権を作れればそれに越したことないし、気概はいいんですけども、少なくとも裏金議員のところに当たっていない選挙区あります。最低限そこは主導的にやって、10ぐらいあるんじゃないですか。(いわゆる裏金議員がいる所には対立候補を)必ず立てる。そうじゃないと有権者は選択肢がないじゃないですか。ペナルティーを与えたいという人たちがいるわけだから、その受け皿を作るのは我々の役割。そのうえで現実的に考えると、自公の過半数割れに追い込むための野党の議席の最大化、しかもそれは小選挙区で勝てる選挙がどれだけ増えるかということにかかっています。我々が擁立した候補者は立派な本当に素晴らしい候補者ばかりですから、全員の当選を目指していくとしても、どういう政権を作るかという時は、国民が一番近い存在だけど、維新も共産もきちっと誠意ある対応ができる環境であるということ。それは選挙前にどこまで話し合いができるか。告示になって、あるいは解散になった時に、その時どう話し合えるのか。あるいは選挙結果終わった後にどう話し合えるか。その結果によって閣内協力はどこか、閣外協力はどこか、首班指名までやってくれるか、そこまで来なくても政策的に一緒なものを後押ししてもらえるか、協力の仕方が全部違うと思うんです。維新はダメよ共産はダメよと言ってたら、誠意ある対応をできないと思います。常にそういう話し合いができるチャンネルは開いておくべきだと思います。例えば維新の馬場さんは約束を守ってくれる人だと思うんですよ。話し合いをして決めた時にはね。それは与党に取られないためにも、誠意ある対話をし続けること。共産党も、私は国対委員長やりましたけど、彼らも約束を守る人たちなんですよ。だから、どういう約束をするかです。ということは、あらゆる場面で対話のチャンネルは閉ざさないということが必要だと思います」


(Q.枝野さん、今の野田さんの話をベースにして、共通してる部分、違う部分を教えてもらえますか)

枝野幸男前代表
「今、現有が99だから単独政権は無理だという発想が、ちょっと歴史を振り返っていただきたいんです。2009年の政権交代前、当時の民主党の議席もこれぐらいです。何のために私や野田さんが1回生の時、先輩たちが小選挙区を軸にする選挙制度にしたかといったら、それは1人を選ぶ選挙なので、1回の選挙で大きく議席が変わり得るんです。実際に前回の総選挙だって、5000票〜1万票ぐらいの範囲の中で、残念ながら涙を飲んだ仲間もたくさんいる。そうした状況ですから、本当は小選挙区だけで過半数の233立てたいですが、例えば比例単独という人も小選挙区の人たちの下に並んでもらう。そこまでならやってくれるという人たちもいます。あくまでも私たちは私たちの目指す社会に向けて単独政権を目指すんだ。もちろん政治ですから色んな応用はありますし、野田さんの仰ったとおり、その他の野党との色んなコミュニケーションというものは大事にしなきゃいけないけど、でも私は単独政権を目指せる可能性はあると思っています」


(Q.泉さんはいかがですか)

泉健太代表
「実はお2人の言っていることを、すでにやり続けてきているのが今の体制なんですね。野田さんが仰ったような各党との信頼関係はしっかりできていて、私は各党党首とすでに意見交換もしてきています。また、今、全く協力していないのかというと、選挙調整という意味では、れいわさんとも社民さん共産さんとも国民さんとも色んな意味で、目に見えないけれども立てすぎる、お互いぶつけすぎるのが良いわけじゃないという共通の認識はあって、それぞれに配慮しているんですね。それが今の姿だということです。維新さんともいつも意見交換はしていますが、ただ維新さんの場合は、今回の選挙で政権を取るんだまだなっていません。これは何回も意見交換する中で、彼ら自身が言ってることなので、こちらが一生懸命言っても向こうがそうじゃないならば、枝野さんが仰ったように、我々はちゃんと単独政権を目指す気概を持たないと、自分たちが担うという気概、これが何より大事だということです」


(Q.吉田さんは当選1回ですが、代表選に当選し、選挙に勝ったら総理大臣になるかもしれません。その時にどういう方針で力を結集しますか)

吉田はるみ衆議院議員
「まず今回の連携の在り方に関して見失っていけないのは、これだけの裏金国会があって、国民の皆さんは何で政治家だけこんな思いをするんだと。何で私たちがお金を隠したら『すみませんでした。申告漏れでした』これじゃ済まされないのに、なぜ政治家は済まされるんだ。これをしっかりけじめをつけなきゃいけない、決着つけなきゃいけない。そのためには、すっきり1対1の構図を作る。その舞台を作るというのは、立憲民主党の責任だと思います。そこから政権を取った時、国民の皆様にお示ししなければいけないのは、その先に何を実現するか。これは絶対に選挙の前に明らかにして、そして必ずそれを実現する。それは選択的夫婦別姓かもしれない、それは教育の無償化かもしれない。野党が結集できる何を実現するか。これを見せていくことではないかなと思います」

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■『防衛増税』について

■『防衛増税』について

ここから政策に入っていきたいと思います。ただ、皆さんの政策について全部触れるわけいかないので、自民党との対比で見ていきます

まず防衛力の増強の問題について、政府は防衛力強化のために5年間で約43兆円を確保するとしていて、その財源の一部として法人税・所得税・たばこ税の増税が決まっています。

自民党総裁選では、岸田政権の幹事長である茂木幹事長が「増税の必要性はない」として、それに対しては批判も出ています。


(Q.野田さん、防衛力増強って何でしょう)

野田佳彦元総理大臣
「この発言すごい重大で、政権の中枢が今まで国会で言ってきたことを否定するわけでしょ。連立与党の公明党それで良いのか。私は政党の体をなしてない発言だと思います。その前提の上で申し上げますけれども、もちろん安全保障の情勢を考えてみたら、私は必要な正面装備などがあると思います。ただ、43兆円はきちっと精査して積み上げた数字では決してないし、中期防の3年目ですけど、余っちゃってるところもあるようです。今度予算でも8兆円超える額ですが、これは相当精査しなきゃいけないと思います。むしろ、例えば私は自衛官のせがれですけれども、自衛隊員の待遇の問題、警察予備隊以来、定員に達したことないんですよ。今回は任期制の自衛官も、旧軍でいうと二等兵、一等兵になる若手が5割しか入ってこない。ということは、装備を整えてもサイバーも宇宙も大事と言っても、動かす人がいなければ絵にかいたもちです。よく地に足のついた防衛論議をしなければいけないと思います」


(Q.枝野さん、『人間中心の経済』という考え方と、防衛費のための増税は相容れるものですか)

枝野幸男前代表
「野田さんが仰ったとおり、自衛隊防衛力も人に投資しなきゃいけないんですよ。装備は無限にあれば安心だけど、それを誰がどう使うのか。実際に自衛隊員の皆さんは定員割れが発足以来ずっと続いているわけで、さらに今、応募者が減っているわけですよ。誰が国を守ってくれるんですか。しかもその自衛官の皆さんの、特に幹部になるような皆さんがきちっとした客観的な判断力などを備えていただかないと、どんな装備があっても国は守れません。やはりそこも人間なんです。自衛隊員の皆さんを大切にする。たくさん希望者が集まってくれる。その皆さんが客観性を持った教育で国を守る体制を作っていただく。人に投資をするということは、ここも共通していると私は思っています」


(Q.吉田さん、増税という言葉を政権を持ったら勇気を持って国民に問わなきゃいけない日が来るかもしれません。その勇気をお持ちですか)

吉田はるみ衆議院議員
「その必要があるかどうか見極める必要があると思うんですけど、まずは政治の信頼回復です。増税をしても、本当に私たちの生活が良くなるのか。ここに国民の皆様は疑問を持っている。それが本当に使われるのか。まずその信頼回復なくして増税の議論はできないと思います」


(Q.泉さん、『日本を伸ばす』と仰いました。自民党との最大の違いは何ですか)

泉健太代表
「自民党は規模主義・効率主義。彼らは新自由主義だし、どんどん大きなものが大きくなれば、例えばGDPを達成すればいいという考え方。でもその裏では、小規模中規模の農家はどんどん離農していってるし、牧場でも50頭以下はもうやっていけない状態にあります。我々は地域の経済の担い手を大事にする。そこは自民党との全く大きな違い。だからこそ、3つの補欠選挙で勝ったのは裏金だけじゃない。地域の商店街がボロボロになって、地域の経済が疲弊して、農業も漁業もだめになっている。その怒りが向かってきている。そこをやるのが立憲民主党です」


立憲民主党代表選挙は今月23日、臨時党大会で新しい代表が選出されることになっています。

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