山形・飯豊町の白川湖には、雪解けの時期だけ見ることのできる絶景がある。木々が水の中から生えているように見え、鮮やかな新緑が水面に映る「水没林」だ。世界でもまれに見る光景を一目見ようと、県の内外から多くの観光客が訪れている。
絶景を堪能できるカヌーツアー
白川湖には、毎年3月下旬になると大量の雪解け水が流れ込み、木々が水の中から生えているように見える「水没林」が出現する。
この記事の画像(8枚)5月になるとダムの放流が始まるため、毎年1~2カ月見ることができる。
この自然が作り出した絶景をカヌーで間近に見ることができるツアーが行われているということで、いいでカヌークラブの堀江守弘さんに見どころを教えてもらった。
いいでカヌークラブ・堀江守弘さん:
目の前に見えてきたのが、この白川湖でも一番大きな水没林。一番大きな林、この中に入っていきます。カヌーならではの楽しみですね
新緑が鮮やかなシロヤナギを見上げながら、ゆっくりとカヌーを進めていく。しばらくこいでいると、堀江さんが何かを見つけたようだ。
いいでカヌークラブ・堀江守弘さん:
(幹に)穴があります。これ、元々キツツキの巣穴だった
そして堀江さんは、「いました…、私のカヌーの中に」とキツツキのイラストを取り出し、笑いを誘っていた。
ユーモアたっぷりの解説を聞きながら、鳥の巣を見上げたり、そよ風を感じたり、全身で自然を感じることができる。
日本百名山の一つ「飯豊山」
湖の深さは約3メートル。目線のはるか上にあるはずの景色が真横に見えるのは、宙に浮いているようで不思議な感覚だ。
約40分こぎ進めると、この時期でもなかなか見ることのできない絶景が広がっていた。
標高2105メートル、日本百名山の一つの飯豊山だ。
絵に描いたような美しい景色だが、天気が悪い日や霧が濃い日は見ることができず、とても貴重だという。自然の魅力を満喫し、約1時間のツアーはあっという間に終わった。
いいでカヌークラブ・堀江守弘さん:
皆さんそれぞれの楽しみ方がある。早朝は5時からツアーをやっていて、日中は暖かい陽気の中で、小さな子どもと一緒に家族で楽しんでいただくこともできる。ぜひ県の内外から飯豊町に足を運んで楽しんでもらいたい
このカヌーツアーは予約制で、5月25日まで参加できるという。
期間限定で幻想的なライトアップ
4月20日夜からは水没林のライトアップが始まった。
茨城県から訪れたという人は「想像以上。すごく幻想的。湖に反射した水没林の景色が本当に素晴らしい」と、昼とは違う一面を見せる水没林を楽しんでいた。
飯豊町中津川の森人会・加藤雅史代表:
白川湖の水没林はシロヤナギが非常に多く、世界でもまれに見る光景。おまけに、1カ月しか見られない。なるべく早く皆さんに来てほしい
水没林のライトアップは5月18日まで行われる(午後6時半~午後9時)。今しか見ることができない期間限定の風景を楽しんでほしい。
(さくらんぼテレビ)
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