9月16日は敬老の日。静岡県藤枝市には”なにかおもしろいこと”をモットーに仲間に囲まれながらアクティブに日々を過ごしている91歳の男性がいる。
地域の人とラジオ体操を始め10年間で休み2回のみ
藤枝市に住む伊藤和美さん(91)。
10年前から近所に住む人たちと共にラジオ体操を始め、これまでに休んだのはわずか2日にだけ。
伊藤和美さん:
ただこうやってボーとしていてもしょうがない。貧乏育ちなので、ボーっとして立っていられないんですよ
ラジオ体操を継続している証が足元にあった。伊藤さんの定位置だけ雑草がなくなっているのだ。
伊藤さんは「この頃気づいたんですよ、別に僕が草をとったわけではないけど定位置がこうなっちゃって」と笑う。
「医者がどこにあるか知らない」
91歳とは思えないほどハツラツとした伊藤さんは、地域の中でもちょっとした有名人だ。
近所の人は「ほんとに長い間 町内会長さんとしてすごく一生懸命に私たちのために働いてくれて、お父さんみたいな感じ」「化け物ですよ。医者(病院)がどこにあるか知らない、薬飲んだことがない。ここ(公園)へ来るのに休まないんだよ」と、伊藤さんのハツラツぶりに驚きを隠せない。
自転車や山登りも日課
ただ、元気の秘訣はラジオ体操だけではない。
“相棒”の自転車に乗って、ほぼ毎日 市内の蓮華寺池公園へ。
清水山に登るのが日課となっている。
記者が「ちょっと休憩しませんか?」と懇願しても、伊藤さんは「え?休憩?」と笑ってすました顔で登っていく。
この日は最高気温が30℃を超える真夏日だったが、伊藤さんは休むことなく登頂。
伊藤和美さん:
気持ちいいですよ。だってずっと見えるじゃないですか、向こうの伊豆半島から遠いけど下田の方まで見えますからね。いくら長生きしていても、寝ていたらしょうがないですからね。やっぱりこうやってここへ登って来たりして、健康が一番幸せじゃないですか
PCやオーディオ機器を手作り
屋外で体を動かしている分、自宅ではゆっくり休憩と思いきや…。
伊藤和美さん:
これは自作のコンピューター、全部手作りです。これはデータでね、こっちでいろいろやる
実は自らプログラムしたコンピューターやオーディオアンプを作ることが趣味で、自身が手掛けた作品で音楽を聴くことが「何よりも癒しになっている」と話す。
伊藤和美さん:
(Q.作るのは大変では?)大変なところがおもしろい。何でも自分で作らないと気が済まないんですよ
亡き妻に誓う「日々 懸命に生きる」
モットーは“何かおもしろいことを”。
「楽しい人生だった」とこれまでの91年間を振り返るが、一方で悲しい別れもあった。
今から10年前、半世紀以上連れ添った妻が、心筋梗塞により突然天国に旅立った。
伊藤和美さん:
もう線香はね、3度3度あげています。「しょうがねえ旦那だ」と(妻は)思っているでしょうね。やっぱり寂しいですよ。女房は同じ学校を出て、何でもいろいろね、いい女房だったからね
それでも、妻の仏壇の前で胸を張って日々の報告ができるよう懸命に生きることを誓ったという。
これからも1日1日を満喫することが今の目標だ。
伊藤和美さん:
(Q.奥様の分まで、自分も?)そう、生きなきゃいかんと思って。元気で長生きするしかないですよ。元気で続けられたらそれが一番です
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