最近、体のだるさや疲れを感じることはありませんか?「季節の変わり目、少し疲れやすくなっている感じがしますね」。それ、「秋バテ」かもしれません。原因と対処法、自分が「秋バテ」かどうかがわかるチェックリストも紹介します。


■疲れがとれない 食欲ない

9月に入っても厳しい残暑が続く長野県内。ただ朝晩は涼しくなり、少しずつ秋を感じられるようになってきました。

季節の変わり目は体調を崩しがち。街の声を聞いてみるとー。

30代:
「寝て起きても疲れが取れていない。(寝ている時間は変わらない?)そうですね。なんでだろう」
「疲れやすいとか、夜ぐてーってなるとか。とにかく(日中)汗だくになるのできついですよ。秋はどこに行った」

70代:
「あんまり食欲がないですね。流動食が多いです。秋がくればいいのかな」


■「寒暖差」が大きく影響

体調に悩みを抱えている人が多くいました。この時期の体調不良、実は「秋バテ」かもしれません。

長野保健医療大学 健康管理課長・塚田ゆみ子さん:
「夏がすごく暑くて9月まで続いていて、秋に入ってそろそろ涼しくなって調子が良くなるはずだと期待しているのに疲れはとれない。思うように(体が)動かない」

秋バテは「気象病」の一つといわれています。朝晩は涼しいのに日中は厳しい暑さという、この時期ならではの「寒暖差」が大きく影響しています。

長野保健医療大学 健康管理課長・塚田ゆみ子さん:
「人間の体は、環境の変化にうまく適応していくことが求められる。季節がきちんと切り替わっていかないことで、体の調子を整える自律神経が整わないことが体調変化に大きな影響があります」

寒暖差が大きいと体温調節などの役割がある自律神経が乱れ、これが体調不良の原因となります。


■64%「気象病の経験がある」

以前、紹介した梅雨時の心身の不調、「梅雨だる」も寒暖差が原因の一つでした。

医薬品メーカーの第一三共ヘルスケアが2022年実施したアンケート調査によると、県内では64%の人が「気象病の経験がある」と回答しました。

全国では16番目の多さ。寒暖差の大きい内陸の地域性が影響しているようです。


■夏の疲れ・夏バテの影響

秋バテのもう一つの原因が夏の疲れ・夏バテの影響。

長野保健医療大学 健康管理課長・塚田ゆみ子さん:
「夏にしっかり食べられなかった人。夏に減った体重や夏に感じている疲れを今も引きずっている。あと、睡眠が十分とれない人。体力が落ちてくると運動量が減る。そういう人が秋バテを強く感じます」

こちらは、今年の長野の気温。最高気温が30℃以上の真夏日もしくは猛暑日を観測した日は、7月が17日、8月が27日、9月は12日までに10日。どの月も平年より5日以上が多く、9月は既に倍以上となっています。


■秋バテ? セルフチェック

暑さによるだるさや食欲不振が尾を引いていると考えられます。ここで、自分が「秋バテ」かどうか、セルフチェックしてみましょう!

「疲れやすい、だるい」「食欲がなく胃もたれがある」「寝つきが悪い」など2つ以上、当てはまる場合は「秋バテ」の可能性があります。


■予防・解消法は?専門家に聞いた

では、予防・解消するにはどうしたらよいのでしょうか。

長野保健医療大学 健康管理課長・塚田ゆみ子さん:
「基本的なことですが、良質な睡眠をとる。朝、目が覚めた時に、疲れが残っていない状況がすごく大事。目覚めたときに疲労感が残っていると、時間が足りないのか、質がよくないのか、見直してほしい。エアコンは最初は入れて、タイマーをかけて切れるようにして明け方には自然な気温で目が覚める工夫も。バランスの良い食事。朝ご飯を抜かないことが1日のスタートで大事。その季節においしいものは、体に必要なもの。旬の野菜やフルーツを食卓にのせてもらうことが大事」


■くるくる耳マッサージ

症状を軽くするにはマッサージも有効。1分でできる!自律神経のバランスを整える「くるくる耳マッサージ」を紹介します。

(1) まず、耳を軽くつまみ、上・下・横に5秒ずつ引っ張ります。
(2) そのまま、軽く引っ張りながら、後ろに5回ゆっくりと回します。
(3) 続いて、耳を包むように折り曲げて、5秒間キープ。
(4) 最後に耳全体を手のひらで覆い、後ろに円を描くようにゆっくりと5回。

これを朝昼晩に1回ずつ続けると、改善が期待できるそうです。

秋の次は冬。塚田さんは秋バテを放置すると冬の免疫力低下にもつながるため、注意してほしいと話します。

長野保健医療大学 健康管理課長・塚田ゆみ子さん:
「冬は風邪をひくなど、病気のリスクが普段より高くなる。(秋バテのままだと)それに向かっていく予備力の貯金ができない。病気になったときに、体力があるということは回復の力になるので秋に少し努力して取り戻してもらうことは大事」

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