土地取引などの基準となる最新の「基準地価」が17日、発表されました。

7月1日時点の福岡県内の1平方メートルあたりの平均価格は約16万7000円。

前年と比べて5%の上昇で価格が上がるのは実に9年連続です。

県内の地価を押し上げている大きな要因の1つが福岡市の再開発プロジェクト「天神ビッグバン」です。

◆記者リポート
「来年春に開業予定の通称ワンビル。その真向かいにあるこちらの地点が1平方メートルあたり910万円と、福岡県内で最も高い地価となりました」

明治通り沿いのオフィス一等地として知られる福岡市中央区天神1丁目の地価は、8年連続で県内の商業地でトップとなりました。

Q.この広さで910万円です。
◆街の人
「そんなにするんですか!でもこのあたりの地価だったら納得」

◆街の人
「高いね」

また、商業地の上昇率でトップだったのは福岡市博多区中洲4丁目。

1平方メートルあたりの地価は245万円。

去年と比べて20%を超える上昇です。

中洲の街はアフターコロナで観光客や飲食店の利用客が増えて、コロナ前を上回る活況ぶりとなっているといいます。

◆日本不動産研究所九州支社 高田卓巳次長
「(コロナ禍は)敬遠されていた分、他の用途に比べて割安で魅力的に見えていて、需要が急回復していて地価が大きな上昇率になっている」

一方、気になる住宅地の注目エリア。

県内で地価が最も高かったのは、ドーム球場からほど近い中央区地行で1平方メートルあたりの地価は59万円です。

◆日本不動産研究所九州支社 高田卓巳次長
「福岡都市圏の利便性のいいところは依然としてマンションが売れていて、近くに大型商業施設もあり、マンション用地として非常にいい土地」

また、上昇率が高かったのは西鉄雑餉隈(ざっしょのくま)駅のすぐそばにある住宅街、博多区麦野6丁目です。

地価は前の年より19%アップし、県内の住宅地でトップの上昇率となりました。

◆新駅の開業効果も…住宅地「上昇率トップ」

西鉄天神大牟田線の高架化に伴い、今年3月に新たに桜並木駅が開業し、利便性が向上したことも背景にあるようです。

◆地元の人
「住みやすい街だと思います。駅からも近いですし」

◆地元の人
「野菜とか肉とか生活用品が簡単にそろえられるので、住みやすいので長くいます」

◆日本不動産研究所九州支社 高田卓巳次長
「比較的値頃な物件の開発がまだできるということで、デベロッパーの用地需要が旺盛になっているので、引き続き高い地価上昇率を示している」

そして、住宅地の上昇率2位になったのは…。

◆記者リポート
「箱崎3丁目です。こちらは地下鉄の駅も近く、九大跡地の再開発のビジョンが見えたことで人気が高まったと言うことです」

福岡市東区箱崎3丁目の地価は1平方メートルあたり30万円と、去年と比べて18%以上も上昇しました。

箱崎エリアは今年4月、九大箱崎キャンパス跡地の再開発事業の優先交渉権者が決まり、「スマートシティ」として整備される方針が発表されています。

◆地元の人
「引っ越しもちょっと考えていたんですけど、(再開発が)あるならまだいてもいいかな。地価が上がりそうだから、まだいようかなと」


◆県内の住宅地価格トップ5…「福岡市中央区」が上位独占

「福岡1人勝ち」と言われることも多い地価。

今年も全国3位の伸び率となり、改めて福岡の勢いを見せつける形になりました。

県内の住宅地価格ランキング「トップ5」はすべて福岡市、さらに4位までは中央区に集中する結果となりました。

【県内の住宅地価格トップ5】
1位 福岡市中央区地行3丁目
2位 福岡市中央区御所ケ谷
3位 福岡市中央区六本松4丁目
4位 福岡市中央区唐人町2丁目
5位 福岡市早良区西新7丁目

いずれも高級エリアで、坪単価で見ると実に175~195万円になります。

伸び率でみても5~10%程度となっていて、高級エリアでも依然として価格上昇を維持しています。

福岡の地価の上昇は今後もしばらく続きそうです。

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