「次世代バスマット」の誕生に込められた思いとは。持続可能なものづくりに迫りました。

お風呂上がりの体についた、余分な水分を吸収してくれる白い板状のバスマット。

珪藻(けいそう)土のバスマットによく似ていますが、原料は廃棄されたガラスが使われています。

環境にもやさしい“次世代のバスマット”の誕生には、環境に優しいだけではない、持続可能な製品づくりへの思いが込められていました。

バスマットを販売しているのは、ハンディファンや首用の冷却材など、これまで様々な雑貨を販売してきた「ヒロ・コーポレーション」です。

脱臭や調湿機能に優れた珪藻土製のバスマットは、月に15万枚を販売する主力商品でした。

ところが、「アスベストの問題が他社の商品でありまして、ちょっと下火になってしまった部分がある」とヒロ・コーポレーションの山本崇志さんは語ります。

家具大手やホームセンターなどで販売されていた珪藻土バスマットの一部製品の中に、基準値を超えるアスベストが混入し、回収された問題。

この影響で、珪藻土のバスマットは売り上げが激減。

そこで、珪藻土に替わる次世代の新たな素材として目を付けたのが廃ガラスでした。

粉々になったガラスとパルプを混ぜ、液状にし成形。
乾燥させたものをカットして、ガラス発砲バスマットの完成です。

自社製品の珪藻土バスマットと比較してみると、吸水スピードが速く、乾く時間も従来品以上。

珪藻土ではできなかった、洗剤を使った丸洗いも可能になりました。

販売するヒロ・コーポレーションでは、価格を一定に保つため、メーカーと独占契約を締結。
そこにはある切実な思いがありました。

ヒロ・コーポレーション 東京ショールーム・山本崇志さん:
我々のいう“定番的な商品”になるというところ。そうでないと価格がどんどん安くなり、粗悪なモノが出て、この素材自体がなくなる・ダメになる(可能性がある)。「安かろう・悪かろう」ではないが、どうしても物の品質というのは、ある程度(価格に)比例してくる。

販売競争・価格競争の結果、品質の低下や粗悪品の発生を起こしかねないからこそ、息の長い商品に育てたいと言います。

ヒロ・コーポレーション 東京ショールーム・山本崇志さん:
我々も物を売っている以上、どうしても数を売りたくなってしまうので、安くして売ろうという気になってしまうが、せっかくいい商品なので、長く売るためにも定価販売でちゃんと売っていこうと。

安全な物が持続的に生産される社会へ。
価格を保つには、私たち消費者もその一端を担っていることを忘れない必要があります。

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