被爆体験者の一部を被爆者と認めた長崎地裁の判決の控訴期限が週明けに迫る中、県保険医協会は19日に厚生労働省を訪れ、控訴の断念とすべての体験者の救済を訴えました。
県保険医協会の代表などは被爆体験者に被爆者健康手帳の交付を求める約2万8千筆の署名を厚労省の担当者に提出しました。
被爆体験者をめぐっては、今月9日に長崎地裁が一部の地域で放射性物質を含んだ「黒い雨」が降ったとして、原告44人のうち15人を被爆者として認める判決を言い渡しました。
控訴の期限は今月24日で、県保健医協会は署名の提出とあわせ、岸田総理と武見厚労大臣に勝訴した原告に対する控訴を断念し、すべての被爆体験者に手帳を交付するよう求める要望書を提出しています。
県保険医協会 本田孝也 会長
「原告の人たちも85歳を超えている、平均年齢が。1日も早い解決を望みたい」
厚労省の担当者は「しっかりと受け止めます」と回答したということです。
裁判をめぐっては、原告側が20日午後に控訴するかを含めて方針を話し合います。
原告側の支援団体の代表なども19日に厚労省の担当者と面会しています。
被爆体験者を交えた厚労省、県、市の協議体を設け、具体的な解決策の検討を進めることなどを求めたということです。
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