山形市の動物愛護センターに収容された保護ネコの数が過去最多となっている。「つなぎとめた命のバトンタッチを」と、センターでは引き取り手を募っている。

山形市の動物愛護センター・わんにゃんポート。
ここでは飼い主がおらず、路上などで動けなくなっていたイヌやネコを保護して治療し、里親が見つかるまで世話をしている。
しかし、今、深刻な問題となっているのがセンターから引き取られる保護ネコの数が
減少していること。

(山形市健康医療部 動物愛護センター・佐竹優さん)
「ネコの数に対して、新しく飼い主になってもらうペースが落ちている。センターの中にネコが残ってしまっている」

ことしに入ってから8月末までに引き取られたネコは20匹。
明確な理由はわかっていないが、去年の同じ時期と比べると半分以下だ。

引き取り手が少ないと数が増え続け、収容スぺースがなくなったり、人手が追いつかなくなったりしてしまう。
9月上旬時点での収容数は41匹。センター開所以来、最も多くなっている。

(山形市健康医療部 動物愛護センター・佐竹優さん)
「ケージの数が足りなくなってしまうので、臨時でケージを用意して廊下のようなスペース・イヌの部屋も使っている。本来の用途でない使い方でほかの部屋を使わなければならなくなってしまう」

センターでは「つなぎとめた命をなんとかバトンタッチしたい」と、2019年の開所以来、約5年半殺処分を行っていない。
これからネコを飼おうと思っている人には、保護ネコの引き取りもぜひ検討してほしいとしている。

一方で、飼い主にとって保護ネコを引き取る際にハードルになるのが、「ネコが心を開いてくれるのか」や「しつけへの不安」。

(リポート)
「まだ出会って10分ほどですが、すごく人慣れしていてリラックスしているような表情も見せてくれます」

センターでは、獣医や専門の技術員がしつけや世話をしているため、保護ネコは人懐っこく、実ははじめて飼う人でも飼いやすいという。

(山形市健康医療部 動物愛護センター・佐竹優さん)
「人慣れしているので、新しい家に行って相性などを確かめていただければ、十分飼えるネコたち」

またセンターを訪ねてくるのは「子ネコから育てたい」という人が多く、「大きいネコ」が残ってしまう傾向がある。
佐竹さんは「大きいネコ」ならではの飼いやすさやかわいさにも注目してほしいと話す。

(山形市健康医療部 動物愛護センター・佐竹優さん)
「大きいネコは1年前から収容されている子もいる。技術員が365日毎日お世話しているので人慣れしている。実際に触れ合っていただくとよりかわいさがわかると思う」

保護ネコを家族に迎えたい人は、センターで譲渡前講習を受ければ無料で引き取ることができる。
講習は毎月12日に行われ、9月は23日にも行われる。新しい飼い主には命を預かることの大変さも理解してもらった上で引き渡されるという。

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