今回、見つかったのは織田信長が肥後細川家の初代・細川藤孝に宛てた書状。室町幕府滅亡の経緯を知る上で、重要な手掛かりとなる発見だ。

織田信長が細川藤孝に宛てた書状

熊本大学・永青文庫研究センターの稲葉継陽センター長は「にわかには信じられない発見だった」と話す。

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細川家の史料などを所蔵する東京都の永青文庫から、今回発見されたのは、織田信長が肥後細川家初代・細川藤孝に宛てた書状だ。

書かれたのは、室町幕府滅亡の前年である1572年(元亀3)当時、信長は将軍・足利義昭の側近衆と対立を深めていた。

そのような中、幕府の中枢を担っていた藤孝に対し、信長は書状の中で「あなたからは初春にも、太刀と馬とをお贈りいただき、例年通りにお付き合いくださる」と記している。つまり信長は、幕府の側近衆の中で、藤孝だけとは友好的な関係を築いていたのだ。

信長が「あなたの働きこそが重要」

また、信長は書状の中で、「関西方面の領主たちを味方に引き入れてほしい」と藤孝に頼んだ上で、「あなたの働きこそが重要なのです」と述べている。

稲葉センター長は「義昭と信長を結び付けて、正統幕府を再興するという大仕事をやってのけた藤孝が、室町幕府の滅亡を実現させるキーマンとなった」と語った。

幕府滅亡に至る経緯を知る上で、重要な手掛かりとなる今回の発見。稲葉センター長は、「藤孝の果たした役割が、この時代の政治史にしっかり組み込まれるきっかけになれば…」と述べた。

(テレビ熊本)

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