明治神宮外苑地区の再開発をめぐり、日本イコモス国内委員会は24日、記者会見を開き、樹木の伐採本数を減らすといった事業者の見直し計画案に対して「樹木の本数のみの報告で、『緑の質』に関する検討が欠落している」と批判した。東京都環境影響評価審議会での意見表明の機会などを求める要望書を小池百合子知事宛てに提出したという。

 計画敷地内の樹木伐採に批判が高まるなか、三井不動産などの事業者は9日、伐採予定だった3メートル以上の高木743本のうち、124本の伐採を取りやめることなどを盛り込んだ見直し案を公表。28日に住民説明会を開く予定としている。

 会見で日本イコモス国内委員会の石川幹子理事は見直し案について、樹木の移植の具体的な計画が提示されていないと指摘。「高層ビル建設による影や熱の問題への検討がない」と主張した。

 さらに「これまで30回近く都に要望を出しているが、回答がない。パブリックな協議が不足している」と訴えた。

 神宮外苑の再開発をめぐっては、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関「イコモス」が昨年9月、危機的状況にある文化遺産を守る目的で発する「ヘリテージアラート」を出している。(中山直樹)

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