1959年(昭和34年)9月、全国で5098人の死者・行方不明者を出した伊勢湾台風から、ちょうど65年が経ちました。その恐ろしさを伝えていこうと「ChatGPT」に学習させたAI語り部が25日、愛知県弥富市の小学校で“特別授業”を開きました。


 1959年9月26日から27日にかけて日本列島を縦断した伊勢湾台風は、全国で5098人の死者・行方不明者を出した戦後最悪の風水害です。

 25日、弥富市の桜小学校を、伊勢湾台風について教える“講師”が訪れました。

<AI語り部の伊勢湾太郎さん>
「こんにちは。わしの名前は伊勢湾太郎というんじゃ」

 訪れたのは、大型モニターに映し出された、AI語り部の伊勢湾太郎さんで、15歳で被災した設定です。

 東海3県を中心に防災教育に取り組む団体が、対話型AI「ChatGPT」に伊勢湾台風の情報を学習させました。

 パソコンに呼び出した伊勢湾太郎さんに、子供たちが事前に考えてきた質問を投げかけます。

児童:
「湾太郎さん、伊勢湾台風が起きた後の復旧復興にかかった月日はどれくらいですか?」

<伊勢湾太郎さん>
「かなりの時間がかかったんじゃ。例えば名古屋市では14日間も電気がつかなかったんじゃ」

別の児童:
「どこの県がいちばん水の量が多かったですか?」

<伊勢湾太郎さん>
「愛知県名古屋市千種区が一番水の量が多かったんじゃ。最大日降水量が131.0ミリメートル、最大1時間降水量が24.4ミリメートルもあったんじゃよ」

 子供たちはこの後、AIに教えてもらったことを報告し合っていました。伊勢湾太郎さんは台風の被害についての企画展などでも活用される計画だということです。

児童:
「本当のおじいちゃんに話しているみたいで、AIってすごいなと思いました」

別の児童:
「教科書だと文字だけだけど、AIだと相手のことを考えて言ってくれたり、おじいちゃんなので話しやすかった」

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