中国から香港に贈られたジャイアントパンダの可可(ココ)=AP、香港海洋公園提供

 中国が香港に贈ったジャイアントパンダ2頭が26日、生まれ故郷の四川省から到着した。香港で飼育されるパンダは計6頭となり、香港メディアによると中国本土以外の都市では世界最多。10月1日に新中国成立から75周年を迎えるのを前に、香港との「絆」を強調する狙いがありそうだ。

 26日午前、2頭を乗せた飛行機が空港に到着し、香港政府幹部らが出迎えた。雄の「安安(アンアン)」と雌の「可可(ココ)」で、ともに5歳。検疫を受けた後、12月中旬にもテーマパーク「海洋公園」で一般公開される。

 香港にパンダが贈られるのは3ペア目で、2007年以来。香港政府トップの李家超行政長官が7月に四川省のパンダ保護研究センターを訪れて協議するなど力を入れていた。9月25日に四川省で行われた出発式では、香港政府の楊潤雄・文化体育旅行局長が「建国75年の年にパンダが贈られる意義は大きい。深遠な中華文化を受け継ぎ、血でつながった本土と香港の人々の関係を深めるものだ」と述べた。

 海洋公園では8月に双子のパンダも生まれていて、深刻な消費低迷に直面する経済界にはパンダによる景気刺激を期待する声があがっている。特に飲食業では19年の政府への大規模な抗議活動や新型コロナウイルス流行の余波を受け、業界団体によると月に約300軒の飲食店が閉店しているとみられる。団体幹部は香港メディアに対し、パンダにちなんだ料理や飲み物が経済活性化につながると期待をかけた。【台北・林哲平】

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