富山・魚津市の遊園地「ミラージュランド」の大観覧車が、4月20日に運転を再開した。多くの人の支援を得ての半年間のリニューアル工事。再開を待ちわびた人たちの思いを取材した。
どこからでも見える地域のシンボル
20日、装いを新たに運転を再開したミラージュランドの大観覧車。一番高い所で66メートル。
この日を待ちわびた人たちが、早速、15分間の空中散歩を楽しんだ。
再開一番乗りを狙いオープン前から並んだという、2人の孫と訪れた魚津市の男性は「いい眺めで気持ち良かった。きょうからということで一番最初に来た。大事だね。どこから見ても見える、シンボルとしていい」とリニューアルした大観覧車を満喫した様子。
33年にわたり地域のシンボルとして親しまれている大観覧車は劣化が激しく、2023年10月から全体の塗装や傷んだパイプなどを交換するリニューアル工事が行われてきた。
今回が4度目のお色直し。40台あるゴンドラのうち39台は青空に映える赤色に統一され、もう1台は、以前から人気の金色を残した。
総事業費6300万円のうち1300万円は、クラウドファンディングと市民や企業団体から寄せられた支援金が活用された。
5年前から観覧車を撮り続ける写真家
クラウドファンディングに参加した1人、魚津市の黒崎宇伸さん。
市内で銭湯を営むかたわら、写真家として活動する黒崎さんは、子どもの頃から慣れ親しんだ観覧車の姿を残そうと、5年前から写真を撮り続けている。
観覧車の中心、地上33メートルの回転軸で手作業でペンキを塗る職人の姿。冬型の蜃気楼と観覧車をとらえた一枚。特別な許可を得て、半年間の工事中も撮影を続けてきた。
黒崎宇伸さん:
(観覧車は)どこからでも見える、あって当たり前だけど工事で乗れないとか、足場があって景色が変わってると、いつもと違う感じで。足場が取り払われて、きれいな姿になると元に戻ったなって感じでうれしい。
クラウドファンディングの返礼品として受け取った乗り物券は、経営する銭湯でお客さんに配る予定だという。
黒崎さんは「少しでも応援したい。普段観覧車に乗らない高齢者の方とか、海もきれいだし山もすごく見晴らしがいいので、乗って楽しんでいただけたら」とクラウドファンディングに参加した思いについて話した。
待ちわびた運転再開に多くの人
この日、観覧車には次々と家族連れが訪れた。
再開を聞きつけ黒部市から来たという親子は、もうすぐ2歳になる女の子が前を通るたび、観覧車に再び乗るのを楽しみにしていたという。
黒部市から訪れた家族:
観覧車。ここ通るたびに、あ~って言うんでね。観覧車ね、見えるよね?夢中。
再開を待ちわびた多くの人。ミラージュランドでは、大観覧車の魅力をSNSなどで発信し、支えてくれた人たちの思いに応えたいとしている。
ミラージュランド・森剛士さん:
多くの方に支援いただいたことが、本当にありがたい。地域のシンボルとして末永くご利用いただいて、これからも存続していきたい。
クラウドファンディングに参加した黒崎さんも写真を撮り続け、ふるさとの魅力を発信していくことにしている。
黒崎宇伸さん:
青空にすごく映えるような感じなので、大きな太陽がここにあるイメージで作品を撮っていけたら、おもしろい。
再び動き出した大観覧車。真っ赤な太陽のように、魚津の街を見渡している。
(富山テレビ)
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