電気・ガス・水道、スマホなど生活に必要なものから、クレジットカード、サブスクリプションといった、さまざまなものが銀行口座から引き落とされていく。

もし“おひとりさま”が亡くなったら、それら契約類の解除手続きは誰がやってくれるのか。もし、口座に大金があれば、残高が不足するまでずっと引き落とされていくかもしれない。

日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリストの沢村香苗さんの著書『老後ひとり難民』(幻冬舎新書)から、“おひとりさま”の死後に起こる問題について一部抜粋・再編集して紹介する。

名義人が亡くなっても口座は生き続ける

「老後ひとり難民」が銀行口座にお金を残したまま亡くなった場合、そのお金はどうなるのでしょうか。

「死んだら口座が止められ、お金は引き出せなくなるのでは?」と考える方が多いと思いますが、銀行が口座名義人の死亡を把握できるとは限りません。

銀行は相続人の申し出などで入出金停止を行う(画像:イメージ)
この記事の画像(4枚)

一般に銀行は、相続人からの申し出や新聞の訃報欄などで口座名義人の死亡を知った時点で、速やかに口座からの引き出しや引き落としを停止します。

しかし、ひとり暮らしの高齢者が亡くなった場合などには、銀行は口座名義人が亡くなったことを知る機会がないこともあります。

そのような場合、銀行口座は“生き続ける”ことになります。

つまり存命中と同様、銀行によって口座の管理が続けられるのです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。