ジャイアントパンダのシンシン(左)とリーリー=2017年、東京・上野公園(公益財団法人東京動物園協会提供)

 中国に返還される上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダのつがい、雄リーリーと雌シンシン=いずれも19歳=が29日、トラックで園を出発した。成田空港からチャーター機で中国に移動。四川省の中国ジャイアントパンダ保護研究センターへ同日中に運ばれる。

 トラックは午前4時ごろに園を出発した。集まったファンらが手を振り、見送る園職員の中には涙ぐむ人もいた。福田豊園長は「少し寂しいが、今は感謝の気持ちの方が強い。生まれ育った環境で穏やかに暮らしてほしい」と話した。2頭は落ち着いた様子で輸送箱に入り、少量の水やリンゴ、ニンジンなどを与えられたという。

 中国に返還されるジャイアントパンダのリーリーとシンシンを乗せ、上野動物園を出発するトラックを見送る人たち=29日未明、東京都台東区

 都によると、リーリーとシンシンは四川省で2005年に生まれ、11年2月に繁殖研究目的の貸与で上野動物園に来た。高齢期に差しかかり、近年は高血圧などの症状が出始め投薬治療をしていた。日中の専門家で協議し、移動可能な健康状態のうちに帰国させて治療するのが望ましいと判断した。今月28日の最終観覧日には、大勢のファンらが別れを惜しんだ。(共同)

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