海の異変が続いている。

秋の食卓には欠かせないサケとイクラが高騰。

日本海側の北海道石狩市では、名物のサケが取れず、影響が広がっている。

なぜサケが取れないのだろうか?

サケ不漁で直売所開かない? 負担大きく網を揚げる回数を減らす

毎年この時期、にぎわいを見せているのが石狩湾新港のサケ直売所。

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しかし今年は。

『鮭がとれません オープン予定日は未定です』(張り紙)

サケの不漁で直売所が開かないという異例の事態。

実際、この日、石狩湾新港で水揚げされたサケは。

「今日は1日おきにあげて、2日分で1400本なんですけど、例年だったら1日分で1400本は普通にとれる。多いときは1日3000本とかもとれるので、全然、今年は少ない」(石狩湾漁業協同組合)

9月10日時点の、石狩地方など日本海中部のサケの漁獲数だ。

2020年や2022年は7万尾を超えていたが、今年は5600尾ほど。

過去10年のうち、今年が極端に不漁となっている。

豊漁のときは毎日あげる定置網も、今年は燃料費や人件費の負担を考え、2日に1度になっている。

サイズ小さい ふるさと納税の一部を受付停止

取れたサケの大半は、まず契約している小売業者に卸される。

サケを選別に来た業者は。

「サイズもちょっと小さいのが多くて、店に並べるいいものも少ないのが現状。その中でも厳選して選んでいるという感じ。値段はあがりますね。獲れないと希少価値も上がってくるので、特にメスの卵はもともと高いものなので、さらに値段は上がっていく」(佐藤水産 担当者)

石狩市の名物「秋サケ」の不漁に、観光協会も頭を悩ませている。

「石狩市のふるさと納税の返礼品でもサケ関連製品が多くて、事業者が心配して『受付を今の段階でとめてほしい』と。近年ではまれなこと」(石狩観光協会)

ふるさと納税の一部の受付を止めざるをえなくなった。

今年は、全道的に秋サケの来遊数が平成以降、過去最低になる見通しだ。

なぜ、サケがとれないのだろうか?

来遊数は過去最低 海水温の高さが影響か? 祭りへの影響懸念

海の環境など海洋生態学が専門の北海道大学大学院の山村准教授は。

「一番の理由は海の水温が高すぎることだと思う。気温が高かったこともあるが、普通4度5度高いというのはあまり見かけない。せいぜい1~2度というのが普通だが、こういう状態が2023年から続いている」

Q いつになったら海水温は下がる?

「いつかはあると思うが、これは誰にもわからない」

石狩市では、9月末に「石狩さけまつり」が開かれるが、影響が心配されている。

「石狩さけまつりで毎年サケの即売会やつかみ取りをやっているが、サケの即売会も朝獲れのサケを提供しているので、その日の朝に獲れないと中止になる可能性もある。つかみ取りも2日間で150人が参加できるが、活魚をそれだけの量を確保できないと、参加人数を減らす可能性もでてくる」(石狩観光協会)

北海道の秋を代表する秋サケの不漁。

食卓への影響も心配される。

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