災害が発生すると人命の救助や復旧作業の最前線で活動するのが「消防団」や「ボランティア団体」だ。秋田市の大学で開かれた防災を学ぶイベントでは、それぞれの役割が紹介された。どちらも私たちの命と生活を守る大きな力になっている。

秋田市の日本赤十字秋田看護大学・短期大学で5年ぶりに開かれた「防災キャンプフェス」。楽しみながら防災について学ぶ学校恒例のイベントで、子どもから高齢者まで多くの人が訪れた。

地域を守る消防団の車両が並んだブースでは、楽しみながら消防団の仕事や役割について理解が深められる。

 日赤秋田短大・及川真一さん:
「地域にとって消防団は、絶対に必要な存在だと思っている。消防団は一体何をするのか、分からないことが多いと思うが、このブースでは消防団が何をしているのかを分かりやすく体験を通じて学べる場所になっている」

消防団は、災害時に救助や避難誘導を行うほか、日常では住民に防火・救急指導などを行っている。地域のことやそこに暮らす人たちのことをよく知っていて、地域に密着して安全・安心を守っている。

イベントでは子どもたちが、災害時に役に立つロープワークのほか、消火器を使った「放水」を体験していた。

一方、全国各地で災害支援にあたる宮城・石巻市の団体「OPEN JAPAN」のブースでは、写真で支援活動や被害の様子を伝えていた。

2023年に県内で活動した際には、被災した地域の住宅を回ってニーズを聞き取ったり、住宅から泥まみれの家具を運び出したりと、ソフト面からハード面まで幅広く支援にあたった。

 OPEN JAPAN緊急支援担当・手代千賀さん:
「2023年は7月・9月と2回雨が降って大変だった人もたくさんいると思う。いつ災害が来るか分からないので、現状を伝えながら『忘れないでほしい』『備えてほしい』ということでブースを出している」

現在は、地震と大雨で大きな被害が出ている石川で復旧支援にあたっている。

 OPEN JAPAN緊急支援担当・手代千賀さん:
「距離もあると思うが、できるタイミングで現地に行って現状を見て、そこから自分ごとに変換して、自分だったら『どういうふうに逃げようかな』『どうしていくだろうか』といろいろ考えて、それを持ち帰っていろいろな人に話して思いを共有してもらうと、『私たちも頑張らないと』と力や元気を出してくれるので、年齢関係なく皆さんに応援してもらいたい、一緒に頑張っていきたいと思っている」

 日赤秋田短大・及川真一さん:
「災害や防災を学ぶことを、すごく難しく考えている人が多いと思う。例えば、小さな町で避難訓練をやろうと思っても、集まるメンバーはいつも一緒だとか、若い世代がなかなか集まらないというのは、全国の悩みの一つだと思うが、切り口を変えると人はいっぱい来ると思っている。そのきっかけは『楽しそうだな』と思う仕掛けづくりが必要だと思っている。自宅に帰って、一人一人が『備えをしてみようかな』とすぐにでもやれることがこの場所では学べるので、それができたらと思っている」

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