薬の販売会社「サンド」によりますと、この会社が扱っている局所麻酔薬「アナペイン」の出荷をことし6月から制限しています。

製造を行っている関連会社が製造所を海外から国内に移そうとしましたが、ことし4月に技術移転に時間がかかることが明らかになり国内での製造が延期されたためだということです。

海外の製造所とはすでに契約が切れ、元の状態に戻すこともできないということです。

会社は在庫を取り崩して対応していますが、出荷できる量は限られ「極めて厳しい状況だ」としています。

「アナペイン」は出産やがんの治療などで広く使われていて、全国の医療現場で不足する事態となっています。

厚生労働省や日本麻酔科学会などは「アナペイン」の不足でほかの麻酔薬の供給も不安定になっているとして全国の医療機関に対して治療が必要な患者の優先順位を策定することや薬の使用量を減らす工夫をすることなどを呼びかけています。

会社はNHKの取材に対して「医療関係者や患者の皆様にご迷惑をおかけし、申し訳ございません。1日も早く通常出荷を再開できるよう、鋭意取り組んでおります」と話していて、国内で製造を始めるめどは立っていないということです。

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