10月に入りことしも残り3カ月となった。2日、山形市では年末にかけて需要が高まる海産物、そしてクリスマス向けのおもちゃのバイヤー向け展示会が行われた。ことしの注目やトレンドはどんな商品なのだろう。

山形市のビッグウイングで開かれたのは、海産物や加工食品の総合展示会。
卸売りの山形丸魚が毎年この時期に開催し、バイヤーに魅力ある商品をPRしようと、ことしは全国各地から鮮魚や加工食品など約170のブースが出展された。
脂が乗る秋から冬が旬の魚たちは握り寿司にして紹介されていた。

(リポート)
「こちらに並んでいるサワラとカンパチは元々西側で獲れる魚ということですが、温暖化の影響で庄内浜での漁獲量が増えています。県内での消費拡大につなげようと、販売が進められています」

ともに温暖な海域を好むサワラとカンパチ。温暖化により10年ほど前から庄内浜でも獲れるようになった。

(県漁業協同組合・本間祐輔さん)
「北方系の魚は弱くなっているので、南方系の魚がもっとたくさん獲れるようになればいろいろPRしていきたい」

会場にはお歳暮やおせちなど年末商戦に向けたコーナーも設けられた。
猛暑による生育不足に加え、中国が日本産水産物の輸入を再開させる方針で日中両政府が合意したことで、国内への供給量が減り、海産物は軒並み高騰しているという。

(山形丸魚水産事業部・堀江幸夫水産統括部長)
「猛暑の影響で海藻類・養殖業などに影響が出ていて、生育不足の影響で供給が少なくなっている状態」

また、年末年始にぜいたくに味わいたいカニ・ウニも去年より3割ほど高くなりそうだという。

そして、山形市のおもちゃの卸売業・阿部玩具が開いたのは、クリスマスに向けたおもちゃの商談会。
全国60のメーカーがおすすめの商品を展示し、県内を中心にした小売店のバイヤーに披露した。

(リポート)
「クリスマスを前におもちゃ商戦も本格化しています。ことしはカードゲームのような大人も楽しめるおもちゃが人気だということです」

かわいらしいキャラクターなどの定番商品が並ぶ中、ことしのトレンドは「キダルト」。
キッズとアダルトを組み合わせた造語で、少子化が進む中、多くのメーカーが大人の心をくすぐる商品に力を入れている。

もちろん、子ども向けの商品も進化していて、発売を10月10日に控えたおもちゃは、仕事や料理、旅行など全部で100種類の体験ができる。
モニターを見ながら実際に体を動かして遊ぶ新しいタイプのままごとだ。

(阿部玩具・阿部龍海専務取締役)
「キダルトという子どもの心を持った大人、大人も玩具をお子様と一緒に楽しむという傾向が強い。玩具業界としては盛り上がってくる時期なので、引き続き頑張っていきたい」

主催した2社が共通して話していたのが、「客に納得してもらえる質の高い商品をそろえた」ということだった。
物価高が進み全般的に高いというが、「良いものを厳選して買いたい」という意識が消費者の間で高まっている背景があるのではないかと感じた。

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