10月も多くの品目が値上げされますが、価格が高騰しているのが「コメ」です。

JAからコメの生産者に仮払いされる「概算金」の推移です。小売価格にも影響するとされていて、JA全農長野によりますと、「コシヒカリA」の新米は、3年連続で上がっていて、今年は60キロ当たり1万6290円と、2023年より3840円上がり、引き上げ幅は過去最高となりました。

コメの高騰に苦しむ飲食店が多い中、長野県諏訪市のラーメン店は、平日ランチタイムのライスの無料サービスをやめ、代わりに麺の大盛りを無料にして対応しています。

ニンニク、タマネギ、昆布などを3年以上熟成させた「寝かせダレ」に、豚骨や鶏ガラなどを合わせたスープ。そこに入れるのは自家製の細いちぢれ麺。諏訪地域を中心に親しまれている「ハルピンラーメン」です。

客:
「パンチ効いていて最高ですね」

諏訪市に本店のある「ハルピンラーメン」。今年で創業50年を迎えましたが、今、長く続けてきた「あるサービス」を休止しています。

ハルピンフーズ・山崎仁雷社長:
「お米だけはずっとコロナ前から良い子で値段が上がってなかったのが、ここでどんと上がってきてしまったので」


それはライスの無料サービスです。これまで、平日のランチタイムは、ラーメン1杯につき、小ライス1杯を無料で提供してきましたが、系列の一部の店舗を除き9月からやめました。

理由は、コメの価格高騰です。近年の生産コスト上昇に加え、「コメ不足」による新米の需要の高まりもあり、価格は上がっています。

こちらの店でも、コメの仕入れ値が2023年の約2倍になっていると言います。

ハルピンフーズ・山崎仁雷社長:
「(他の食材を含め)原価をコントロールをとにかく必死でやらないと追いつかないような状態」

価格高騰を受け、ライスのサービスはやめましたが、代わりに、別のサービスを始めました。

店員:
「ただ今、『大盛り無料サービス』やっていますけど」

それは、麺の大盛り無料です。

ハルピンフーズ・山崎仁雷社長:
「ご飯をやめて、お客さんがお腹いっぱいにならない代わりに、何かできないかなと、麺大盛りにすることで、お腹いっぱいになってもらおうと思い始めた。自家製麺をうちはやっているので、それだと麺の方が原価的に安く提供できる」

店員:
「お待たせしました。『ハルピン大盛り』です」

客はどう感じているのでしょうか。

客:
「元々ラーメン好きなので、ラーメン好きな人はうれしいかも」
「いつもサービスライスいただいています。お店もかなり苦労しているんじゃないですか、値段も高くなっているし。お客さんにとってはいい試みだと思います」

ハルピンフーズ・山崎仁雷社長:
「もちろん、ご飯を楽しみにされていたお客さまもいらっしゃると思うんですけど、自家製麺で麺もこだわってやっていますので、この機会においしいなと思っていただければ、逆にチャンスだと思ってやっています」

麺の大盛り無料は、今後しばらく県内の系列8店で続ける予定です。

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