働く人の平日ランチの平均額が過去最高の452円となったことが、「ホットペッパーグルメ外食総研」の調査で分かった。自炊や手弁当の人が多い一方、物価高で飲食店やテークアウトなど外食価格が軒並み上昇し、ランチの支出を押し上げている。
首都圏と関西、東海圏の20~69歳の仕事を持つ男女を対象に、3月にインターネットで調査し、5590人の回答をまとめた。
「先週の平日ランチはどのように食事したか」と尋ねたところ、「自炊、または家族などが作った食事」と答えた人が31・1%で最多。続いて「小売店(コンビニやスーパーなど)や飲食店で購入した食事」(20・4%)▽「自分、または家族などが作った弁当」(19・2%)▽「社食・学食」(8・5%)――という結果だった。
上位5位の順位は昨年調査と同じだった。「自炊、または家族などが作った食事」は新型コロナウイルス禍の2021年から4年連続トップだが、コロナが落ち着いた23年以降は減少している。
ランチ1回当たりの平均予算は20年から毎年調べており、452円は最高額となった。内訳を見ると、「自炊、家族などが作った食事・弁当」(392円)がわずかに昨年を下回ったが、そのほかは昨年から上昇。最高値は「出前、デリバリーしたもの」で昨年から36円増の1368円。次いで「外食店内での食事」が53円増の1243円、「外食店からテークアウトしたもの」が45円増の977円だった。
また、「1年前と比べたランチの変化」について「変化があった」という人に理由を尋ねると、「職場の同僚と複数人で食べることが増えた」や「外出(外食)する機会が増えた」を挙げる人が増加。その理由として「コロナ禍前までの働き方に戻りつつあるため」だという。
ただし、この1年の月ごとの外食市場規模は、コロナ禍前の19年と比べ70~80%台に縮小したままだ。
ホットペッパーグルメ外食総研の上席研究員、稲垣昌宏氏は外食市場の回復が遅れている背景として、物価高による外食控え▽飲酒機会の減少など生活様式の変化▽人手不足などによる営業時間の短縮や業態変更――の三つを指摘。「外食市場はしばらく同水準で推移するのではないか」とみている。【嶋田夕子】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。