日本アメリカンフットボール協会が関西学院大学の選手に対し、大麻を含む可能性のある物質を所持・使用したなどとして、処分した問題で、3日、部としての処分内容が会見で発表された。
【動画】関学アメフト部「大麻疑惑」 2度目の会見でアメフト部としての処分内容を発表 「毛髪検査拒否」の1人は無期限活動停止
■認識の違いがある協会と大学の対応
関西学院大学アメフト部 池埜聡部長：8月30日に日本アメフト協会から、U20に選出された5名への処分が通知されました。その後、その処分理由と根拠を日本協会に問い合わせまして、部としてもヒアリングを重ねた結果、部としても5名に対する対応が決まりました。
関西学院大学のアメリカンフットボール部。8月に続いて2度目の会見を開いた。
日本アメリカンフットボール協会は、関西学院大学のアメフト部に所属する5人の選手が、ことし6月から7月にかけて、20歳以下の日本代表としてカナダに遠征した際、重大な規律違反を行ったとして処分した。
このうち1人の選手は、大麻を含む可能性がある製品を所持・使用したとして、協会は、日本代表に選抜される資格を無期限停止とする処分を言い渡した。
一方、関西学院大学は5人に対し、尿検査を行った結果、全員が陰性判定だったことから「有力な証拠を把握していない」として、協会との認識に違いがあると主張していた。
ただ、日本代表資格の無期限停止処分を受けた選手については、協会が求める毛髪検査を拒否していたことから、部として「無期限の活動停止」の仮処分を行っていた。
■協会は選手らに弁明の機会を設け再度処分 「無期限活動停止→条件付き・大学で判断を」
3日、この問題について2度目の会見を開いた関西学院大学のアメリカンフットボール部。
部は協会に対し、改めて選手らの処分理由と根拠を示すよう要望。
協会は選手らに対する弁明の機会を設け、臨時理事会を開き再度処分を検討した。
その結果、協会は日本代表に選抜される資格の処分内容は変更しなかった一方、無期限の活動停止を勧告した1人については「一定の条件を満たしたうえで、大学において判断されたい」との意見をつけた。
そして、規定上の是正再発防止措置として4人を厳重注意とした。
それを受けて、アメフト部は3日の会見で、毛髪検査を拒否し、頭を剃り上げた選手について正式に「無期限の活動停止」としている。
また、協会側が情報を得た証言について、部としては確認できていないことから、「大麻を含む可能性のある物質の所持と使用」については判断を留保するとしている。
ほかの4人については、1人をことし秋の試合出場停止、そのほか3人については注意や厳重注意とした。
この4人については尿や毛髪の検査で大麻の使用は確認できなかったとしている。
関西学院大学アメフト部 小野宏ディレクター：正直かつ誠実に向き合っていくことの大切さを共有できなかったことが明らかになりました。その指導・教育が十分に行き届いていなかったことを深く反省しています。この反省の上に指導者はもちろん、全部員が改めてわが事として捉え、議論を深めてまいります。
■「協会の処分は勇み足だったかも」協会と大学ですり合わせた上で発表するべきだったのでは
日本アメフト協会と関西学院大学側で認識に違いがあったが、3日、正式に処分が決まった。
番組コメンテーターの菊地幸夫弁護士は「処分を行うときはプロセスが大事」と話す。
菊地幸夫弁護士：こういう処分を行うときは、しっかりと弁明の機会を設けて、要するに処分をするまでのプロセスが非常に大事なんです。ただ処分すればいいというわけではありません。そこをこれからも見直していただきたいということと、あとやっぱり若い人ですから、チャンスを全部奪うのではなく、しっかりと教訓とした上で、今後また頑張っていただく。そういう教育的な配慮は必要なんじゃないかなと思います。
学生スポーツで規範をどう守っていくのかを問われている。
関西テレビ 神崎博報道デスク：最初の協会の処分が、もしかして勇み足だったかもしれなくて、ちゃんと客観的証拠として、例えば物証である毛髪検査、尿検査など色んな条件をそろえた上で、本人の意見を聞いた上で処分を下すべきだったし、発表の仕方も協会側と関西学院大学側でかなり意見の食い違いがあったりしたので、すり合わせた上で少し時間がかかるかもしれませんけども、発表すべきだったのかなと思います。
関西学院大学側としても「ルールをしっかりと大切にして指導・教育していきたい」としているので、その育成を見て行きたいと思う。
（関西テレビ「newsランナー」2024年10月3日放送）
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