認知症患者や家族をできる範囲で手助けする「認知症サポーター」の養成講座が、宮城県多賀城市の小学校で開かれました。子供たちは当事者の体験談を聞き、認知症への理解を深めていました。

子供たち(Q.認知症を知っている?)
「今まで知っていたことを、知らなくなったりする」
「認知症って言葉は聞いたことがあったけど、その意味はわかりませんでした」

「認知症サポーター」の養成講座が開かれたのは、多賀城市の八幡小学校です。認知症サポーターは、認知症に対する正しい知識を持ち手助けできる人を増やそうと、厚生労働省が2005年から進めている取り組みです。多賀城市は今回、小学生に向けた講座を初めて開き、5年生の児童約40人が参加しました。

講師
「脳の病気からくる症状です。声のかけ方で気持ちが穏やかになる」

子供たちはまず「覚えられない」「忘れてしまう」といった認知症の症状などを学んだ後、60代前半で認知症と診断され、現在74歳になる男性の話を聞きました。

認知症と診断された男性
「夜になって街を歩いたらわからなくなった。交番に行って、泣きついて『おれの家はどこ?』と聞いた」

男性は現在、GPS端末などを常に身に着け、家族の助けを受けながらボランティア活動に取り組むなど、活動的に過ごしていることを説明しました。認知症に対して怖いと感じていた子供たちも、男性の話を聞いて感じることがあったようです。

子供たち
「脳の病気だから、ちょっと怖いなと思ったけど、心配だからそういう人がいたら助けてあげたいと思った」
「優しく声掛けしたり道案内したりとか、そういうことをしていきたいと思った」

厚生労働省の調査では、認知症の高齢者は2040年に約584万人に上ると推計されています。

養成講座を受けた子供たちは認知症サポーターの証となる、オレンジのリングを一人一人受け取りました。

認知症がより身近になる中、子供たちにとって貴重な体験となったようです。

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