秋の味覚・サンマは、近年不漁が続いていましたが、2024年は岩手県内での水揚げは好調に推移していて、「庶民の味」復活を思わせる状況となっています。
漁港とスーパーで現状を取材しました。

大船渡市魚市場では秋の味覚・サンマが10月4日朝、約42トン水揚げされました。
2024年の大船渡でのサンマの水揚げ量は8月26日から10月4日までに1225トンと2023年の同じ時期より452トン多くなっています。

第十八三笠丸 高橋昇司漁労長
「こんなに取れるとは思わなかった。値段も良い。魚体が大きいから」

4日に行われた入札では、1キロ当たり500円から750円で取引されました。
仲買人は、「例年より良いサイズで、漁獲量も安定している」と話します。

県水産情報配信システムいわて大量ナビによりますと、9月までに県内で水揚げされたサンマは約1462トンで、2023年の同じ時期より76%多くなりました。
また、過去5年の同じ時期と比べ最も高くなっています。

なぜ水揚げが好調なのでしょうか。

国の研究機関、水産研究・教育機構は、サンマが分布する海域にその理由があるとみています。

水産研究・教育機構 巣山哲主幹研究員
「日本に比較的近いところに分布密度が高く、なおかつ体長が大きいサンマが分布していることがわかった。だいたい100グラム以上のものが50%以上を占めていると思う」

中條奈菜花アナウンサー
「盛岡市のスーパーです。大船渡産のサンマがずらっと並んでいます。例年より求めやすい価格だということです」

こちらのスーパー(マイヤ仙北店)では8月末からサンマが店頭に並んでいます。
4日の価格は1匹税込み183円。不漁だったここ数年に比べて価格は下がっています。

マイヤ仙北店 菅野将英水産チーフ
「サイズによって値段は違うが昨年に比べて2割くらい安くなっている。脂が去年より乗っていて、ぷっくりしたようなサンマが入っている」

消費者からも2023年までとの違いを実感するとの声が聞かれました。

買い物客
「去年は一度も食べなかった。今年は値段も手ごろだし、だんだん太ってきたようだし、食べ頃になるのかなという気がしていた」

買い物客
「今年食べました。おいしかった。安いと助かる」

このサンマの好調ぶりはいつまで続くのか。
水産研究・教育機構では、今後、遠い海域にいた群れが日本近海に来るものの、その量は少なく魚体も小さいとして、次のような見通しを示しています。

水産研究・教育機構 巣山哲主幹研究員
「最終的な水揚げ量は、後半漁況が悪くなって失速し、去年と同じくらい。その水準になるのではと」

近年記録的不漁で「高級魚」になりつつあったサンマ。
2024年は秋の後半も手の届きやすい状態が続いてほしいところです。

4日に水揚げした漁船の乗組員は、北海道花咲港の1000キロほど沖では、群れが至る所でみられたと話していたそうです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。