チョコレートで世界一を目指す札幌のショコラティエ。世界大会の新作に向け、たどり着いたのは北海道産のワインでした。どんな味に仕上がったのでしょうか。

北海道を創作の場に

 繊細な技術と大胆な色使い。見る人を楽しませる芸術性も豊かです。

 2022年、パリで開催されたのショコラティエのオリンピック「ワールド・チョコレートマスターズ」。

 この3年に一度の大会にベルギー代表として出場した松田詢吾さん(34)。総合で8位に入賞し、芸術部門で2位に。

 大会から2年。松田さんがさらなる高みを目指し、創作の場に選んだのは北海道。

 「北海道はヨーロッパと比べても湿度が低いところが似ているので、チョコレートの環境にも適していると思う」(ショコラティエ マサール 松田詢吾さん)

 札幌市中央区にあるショコラティエ マサール。松田さんはこのチョコの専門店から世界を目指しています。

 「日本は世界の中でケーキのクオリティーが高いので、より精度、クオリティーを上げて作品作りをしなければいけない」(松田さん)

夜遅くまで厨房で“試行錯誤”

 営業を終えた店。夜遅くまで松田さんの姿が厨房にありました。

 試行錯誤を重ねる日々。

 「一言でいうと貪欲な職人。普段、客に提供する商品も含めて、追及する姿勢は見習うものがある」(ショコラティエ マサール 古谷健社長)

 京都府出身の松田さん、大阪府の専門学校を出て、夢だったショコラティエに。東京やフランス・パリの店で働き、2018年からチョコレートの先進国ともよばれる本場 ベルギーの洋菓子店で修業を積みました。

 「地元の食材を使うカテゴリーがあるので何回も試作して良いものが出来上がった」(松田さん)

新たな素材として余市のワインの「澱」を使用

 北海道後志地方・余市町のワイナリー。

 「前回来た時よりも、ブドウがしっかりなっていますね」(松田さん)

 チョコで世界一を目指す松田さんが新たに取り入れる素材はワインの製造過程で出る「澱(おり)」です。

 ワインのうま味成分が沈殿したもので、この「澱」を使い複雑な深い味を表現しようと考えました。

 「うま味的な要素がちゃんとありますよね。前回よりもきれいに表現できている」(ドメーヌ・タカヒコ 曽我貴彦さん)

 「いかがでしょうか?」(松田さん)

 「おいしい」(曽我さん)

 北海道の地で、地元の食材を使い新たに生み出すチョコレート。

 「思いを作品にのせるイメージ。自信をもって出せると思う」(松田さん)

 日本予選は10月13日。松田さんは世界一のショコラティエを目指します。

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