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戦後最短の解散で、突入した衆議院選挙。与野党はどう戦うのか。

◆政治部・千々岩森生官邸キャップ、村上祐子野党キャップに聞きます。

Q.石破総理にとって初の党首討論でしたが、どう見ましたか。

千々岩森生官邸キャップ
「石破総理、ちょっと準備不足に見えました。党首討論のメリットは、互いに攻守を入れ替えながら議論する。つまり、野田代表が追及するだけでなく、石破総理も野田代表に質問していい。まさに、アメリカ大統領選のテレビ討論で、候補者同士がやりあうようなイメージ。これが予算委員会と大きく違うところ。本当の意味で、国民にどちらが良いか、対立軸や選択肢を示せるはずなのです。なのに、石破総理、野党側にまったく質問しませんでした。相手の追及に応えるだけで、そこは残念でしたし、結果として、自身が言ってきた「国民の判断材料になる国会論戦」になったのかは疑問かなと思います」

Q.野党側は、どう見たのでしょうか。

村上祐子野党キャップ
「野党は『石破カラーがなくなった』『これで攻めやすくなった』と石破総理と、十分、戦えると感じた議員が多かったです。というのも、党首討論では、石破総理の弱みも引き出せました。石破総理から討論で引き出したこととして、次の衆院選挙で『政策活動費を使う可能性がある』と石破総理が明言したこと。そして、公認を得られなかった議員が当選した場合、“追加公認”を認める可能性があることです。石破総理は、これまで“党内野党”と言われるように、野党と主張が近く、野党としては、攻めづらいと考えていたが、『石破総理になっても自民党は変わらない』と訴えることができたとみています」

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◆選挙に向けて候補者の調整は、どう進んでいるのか。

◆選挙に向けて候補者の調整は、どう進んでいるのか。

裏金問題をめぐり、非公認となった議員は12人。収支報告書に不記載だった金額は、みなバラバラで「公認・非公認の線引きがあいまい」という指摘もあります。12人の選挙区に自民党から対立候補は立てないということです。政治資金パーティーをめぐる不記載があった議員、約40人は公認しますが、比例名簿から外すといいます。その比例名簿に関して、森山幹事長は9日、「女性候補を中心にさらなる上積みを図るべく努力」と述べました。

Q.候補調整で“石破カラー”は、どこまで打ち出せるのでしょうか。

千々岩森生官邸キャップ
「女性や若者を中心に擁立を進めています。具体的に言いますと、女性の経営者やNPOの若い人に声をかけているようです。これが、ある種の“石破カラー”と言えるかと思います。ただ、もっと言えば、小泉選対委員長が、かなり関わっていて、実態は“小泉カラー”とも言えます。あと、もう一点。9日、新たに6人が非公認となりました。石破総理は、かねがね『地元の理解』と言ってきました。これは、つまり、地元の有権者に理解されているか、支持されているかということ。先週、自民党は独自の情勢調査を行いました。その結果が悪かったとか、これまで比例復活が多かった議員、言ってみれば選挙に強くない議員というのが非公認されたという側面がありそうです」

Q.石破総理は、“選挙の勝敗ライン”を「自民公明での過半数」としましたが、この設定をどう見ますか。

千々岩森生官邸キャップ
「これは、総理大臣なら選挙前に誰でも言いますよね。いわばお約束。ちょっとラインとしては、余裕を持たせ過ぎかなという気がします。実際、自民党内の声を聞いてみると『自民党で単独過半数』が事実上の勝敗ラインという見方が多いです。もし、これを割り込むと、選挙の顔としての石破総理に疑問府がつくと。選挙後には、いわゆる“石破おろし”の動きが出かねない。自民単独過半数というラインが、石破政権の今後を左右すると見ています」

Q.立憲民主党の野田代表は、裏金問題に関わった議員の選挙区について、野党で候補者の一本化を目指していますが、実際は、そう簡単ではないと思います。これから、新たなにどんな動きが出てくるのでしょうか

野党担当・村上祐子キャップ
「裏金問題に関わった議員の選挙区すべての一本化は、今からでは間に合わず、現実的ではありません。立憲・維新・国民が三つ巴になる選挙区で、今から誰かをおろすという調整は現実問題できません。では何をやるのかということですが、できることとしては、すでに他党の候補者が立っているところに新しく候補者を立てないという調整になります。立憲民主党は、近く解散があることはわかっていたのに、選挙の調整が間に合わない状況になっています」

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