9日午後、衆議院が解散しました。事実上の選挙戦がスタートしています。裏金問題で自民党の公認を得られなかった議員の1人は非公認になることを、党ではなく記者の連絡から知ったということです。
■記者からの連絡で知った非公認 怒りの声
「非公認」となった議員からは、怒りの声が相次ぎました。
1240万円不記載 非公認 小田原潔前衆院議員 この記事の写真 1240万円不記載 非公認小田原潔前衆院議員
「(Q.非公認の受け止めは)多少驚いたのは事実ですが、党の決定は真摯に受け止めたいと考えています」
「(Q.非公認の線引きは何が基準になったと考えるか?)そんなこと私が考える余裕はないです。僕自身が非公認と言われたら、分かりました、としか言いようがありません」
小田原氏が「非公認」だと知らされたのは、党の連絡より先に記者から「非公認」について知らされたと言います。
記者からの連絡で知った非公認 小田原前衆院議員「実は一番はじめは記者の方から、『ひどいですね』ってショートメールが来て、何ですか?って聞き直して、まあ、そういうことか、と気付いたというのが9時ちょうどとか9時ちょっとすぎかな」
「(記者から連絡の)その1時間後、幹部の方からお電話で通知を受けました」
通知を受けた中身には、温情もあったようで…。
小田原前衆院議員「公認はしませんということ、それから東京21選挙区支部長であることに変わりがないこと、他の候補を自民党から立てることはないということ、それから人間関係で選挙応援を頼む場合は、よしなにやって聞かなかったことにすると。(非公認の)理由は説明は受けていません」
「(Q.悔しさはありますか?)そんなこと言ってもしょうがないからね、選挙が始まるんだから、一生懸命戦って、なんとか石にかじりついてでも、当選して帰ってくる、それだけであります」
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■12人が非公認に 党からの説明は■12人が非公認に 党からの説明は
自民党は12人を非公認に9日に行われた自民党の選挙対策本部会議。すでに非公認が固まっていた6人に加え、新たに6人が追加で非公認となりました。
自民党 森山裕幹事長 自民党 森山裕幹事長「それぞれの選挙区の状況も吟味したうえで、政治資金パーティーを巡る不記載があった議員のうち、12名が非公認の扱いとなります」
「(Q.(6名追加の根拠は)不記載の額とかそういうものではないのか?)額を特別考えたわけではありませんが、別にこの金額以上この金額以下ということを決めたわけではありません」
非公認の基準は「不記載の額」ではないといいますが、あいまいな線引きに、当事者からは怒りの声も上がりました。
564万円不記載 非公認細田健一前衆院議員
「正直言ってびっくりしました。県連からは通常通り公認申請がなされていたと思いますから。全く予想していなくて、朝、報道で知ったんですけど、相当びっくりしたというのが正直なところ」
自身の「非公認」を報道で知ったという細田氏ですが、党からの連絡は…。
564万円不記載 非公認 細田健一前衆院議員 細田前衆院議員「(Q.党からの連絡はない?)ないですね」
「私はどういう理由でこういう結果(非公認)になったのか、全く党からなんの連絡も受けていない。要するに、分からない。正直勘弁してほしい、正直いい加減にしろという気持ち」
今後については「支援者と相談したい」と話し、足早に選挙区の新潟へと向かっていきました。
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■「政治とカネ」問題 総理の答弁にどよめき■「政治とカネ」問題 総理の答弁にどよめき
9日午後1時から始まった党首討論。先陣を切ったのは、立憲民主党の野田佳彦代表です。
立憲民主党 野田佳彦代表 野田代表「総理とは同い年です。1957年生まれです。総理は29歳の時に衆議院議員に当選されました」 石破茂氏(当時29) 石破茂氏(当時29)
「本当に皆さんのおかげでバッジを付けさせていただきました」 野田代表
「私が初めて衆議院議員に当選したのは1993年でございました」 野田佳彦氏(当時35) 野田佳彦氏(当時35)
「国会の中でも政策競争がみられるような政治を目指していきたいなと」 野田代表
「もうその時は石破総理におかれましては政治改革の旗手として若手の論客として注目をされる存在でございました。私にとっても党派は違いましたけれども、ある意味リスペクトの念を持つ先輩政治家でありました」
同い年の2人が、対峙(たいじ)。論点となったのは、やはり「政治とカネ」の問題です。
論点となったのは「政治とカネ」問題 野田代表「裏金議員と言っていいんでしょうか、いわゆる裏金議員。政治資金規正法上の不記載の議員の皆さんの公認するかしないかの対応です。相当程度非公認と総理はおっしゃってたと思います。これ相当程度非公認なんでしょうか。(裏金が指摘されている議員で)公認される人は30人を超えるんじゃないですか。正確な日本語で言うと相当程度が公認じゃないですか。もっと正確に言うと大半が公認じゃないですか!」 「不記載」と主張 石破総理大臣
「野田代表は本当に言葉を大切にされる方だということは、長いお付き合いで、よく存じております。裏金っていうのは私は決めつけだと思っております。『不記載』でございました。当該議員はそれをきちんと正したということだと、承知を致しております」 野田代表
「ちょっとじゃあ端的に聞きますよ。非公認で立候補された場合、当選しますよね。追加公認されるんですか?」 石破総理
「主権者たる国民の皆様方がご判断をされた場合には、それは公認するということはございます」
石破総理の答弁に何度もどよめきやヤジが飛び交いました。
「裏金隠し解散」と批判 野田代表「これね。裏金隠し解散じゃありませんか!じゃないですか、だって。じゃなかったら、じゃなかったらね…党として再調査しないんだったら、ぜひね、会期延長して予算委員会開こうじゃありませんか」 石破総理
「予算委員会を開くかどうかは国会がお決めになることでございます。私として、この能登半島で苦しんでおられる方々にどうすれば本当に一番良い対策ができるかということ」 石破総理も被災地を視察
度重なる災害で甚大な被害が出ている能登地方を巡っては次のように発言しました。
野田代表「解散の話になりますけども今回ね、被災地に行かれました。涙も流れる、そういう場面もあったと思います。あの被災地を見て選挙できると思いましたか?あの場面を見るならば、到底選挙なんかできないと思うはずです。見てこなかったんですか!節穴ですか、その目は!失礼な言い方して申し訳ないけど。おかしいですよ。あれで選挙執行できると思ったんですか?」 石破総理
「私は被災地の方々が本当にいろんな願いを持っておられる。『これはこうならないのか』『ああならないのか』そういうような切実なお声を聞きましたし、本当にあなた方は分かってるんですかというような厳しいお声もいただきました。そういう方々の思いが、決してないがしろになることがないよう、この選挙の執行に関しましては私は責任を持って万全を期してまいります」
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■「言うことがすぐ変わる」批判への答えは■「言うことがすぐ変わる」批判への答えは
続く、日本維新の会・馬場代表はこのように述べました。
日本維新の会 馬場伸幸代表 日本維新の会 馬場伸幸代表「私はこの解散を命名するとすれば『猫の目解散』。くるくるくるくるとリーダーである総理総裁の言う事が変わるという解散ではないかなということで…。自分が総理になれば予算委員会を開いて議論したいとおっしゃった。それはどこかに行ってしまった…。そして政策もそうですよ。アジア版NATOやりたい。総理になられた瞬間にその考え方はすべて雲散霧消している」 石破総理の答えは 石破総理大臣
「私どもは独裁政党ではございません。総裁が代表がこうだから、それがそのまま政策になるわけではございません」 馬場代表
「いわゆる裏金議員というのは衆議院だけではありません。参議院にもたくさんいらっしゃいます。裏金参議院議員の方々は今回と同じ物差しで公認、非公認をお決めになるんでしょうか」 石破総理大臣
「同じ国会議員でございますので衆議院と参議院と違う対応するということはございません」
日本共産党の田村智子委員長は、「日本社会のあり方」について石破総理に投げかけました。
日本共産党 田村智子委員長 田村委員長「本当に豊かな社会というのは、人間らしい暮らしを支える収入と自由な時間が必要と、不可欠だというふうに思えるんですね。それこそが本当に豊かな社会といえるのではないかと思います。最低賃金の大幅な引き上げのためには中小企業への直接の支援、ここが鍵だ、必要だ、不可欠だと思いますがいかがでしょうか」 石破総理大臣
「目指すところは一緒だと思っております。私どもは全体主義国家ではございませんので、社会主義国家ではございませんので、政府が主導して直接お金を払うやり方が必ずしも正しいと私は思っておりません。どうすれば物価上昇を上回る賃金上昇が実現するかということにおいては、これから先も御党と議論をさせていただきたい」
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■「政策活動費」選挙で使わない?■「政策活動費」選挙で使わない?
国民民主党の玉木雄一郎代表からは、石破総理が廃止を含めて議論するとしていた「政策活動費」について、追及しました。
国民民主党 玉木雄一郎代表 玉木代表「まず政策活動費について伺います。先ほども総理からもありましたが、政策活動費については廃止も含めて議論するということ、発言がありました。きょう解散して来週公示、12日間選挙戦行われます。この選挙に関して1円も政策活動費は使わないということをここで明言してください」 「可能性としては否定いたしません」と回答 石破総理大臣
「現在、認められております政策活動費ということを使うことはございます。それはいろいろな選挙区におきましていろんな事情もございます。我が党の中で御党をはじめ、いろんな党と厳しい戦いをしている、そういう地域もございます。そこにおいて適法な範囲内において、現在許されております政策活動費を使うということは、可能性としては否定はいたしません」 玉木代表
「これは結構問題発言ですよ。選挙にどのように使うんですか。その選挙に使った政策活動費は支出は受け取った総支部長がどこかで計上するんですか。お答えください」 石破総理大臣
「それは法律に許された範囲内で適切に使うということでございます」
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■衆議院解散 万歳はヤジ混じり■衆議院解散 万歳はヤジ混じり
そして9日午後4時、衆議院解散。
額賀福志郎衆院議長 額賀福志郎衆院議長「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する」 野党席からは万歳ではなくヤジが
野党席からは、万歳ではなくヤジが聞こえてきました。
衆議院解散から、およそ4時間後。自身の選挙区、福島へと帰ってきた菅家一郎氏。菅家氏は裏金問題で9日に自民党から非公認となることが発表されました。
1289万円不記載 非公認 菅家一郎前衆院議員 1289万円不記載 非公認菅家前衆院議員
「党本部の決定ですから重く受け止めています」
「(Q.総理から非公認について、直接説明は?)それはないです。厳しい判断がされたことが、ある意味では今回の政治とカネに対する禊(みそぎ)じゃありませんけど、本当に一から新たなスタートというような思いで、多くの有権者の方々に真摯に向き合いながら、訴えてまいりたいと」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年10月10日放送分より)
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