「令和の米騒動」と呼ばれるほど、スーパーなどの売り場から一時姿を消したコメ。新米のシーズンを迎え、品薄感は解消されつつあるが、依然として高値は続く。毎日の食卓に上る主食だけに、食べ盛りの子どもがいる家庭には打撃が大きい。そこでコメの節約につながるとともに、おなかも満たせるレシピを、修文大(愛知県一宮市)の南亜紀准教授(49)=写真、食品栄養科学=に教えてもらった。 (加藤祥子) 自身も小学3年~高校3年の4人の子どもを育てる南さん。コメが品薄になり、「わが家も麺類やパンが増えた」と話す。卵を入れたうどんやピザトーストなど、子どもの好みに合わせてさまざまな料理を作っているという。 コメの代替として適切なのは炭水化物を多く含んだ食品。南さんは、うどんや、そば、スパゲティ、パン、ジャガイモ、サツマイモなどを挙げる。中でもうどんは、タンパク質や脂質、ビタミンB群などの栄養価が炊いたご飯に近く、ボリュームや値段、手軽さなども相まって、お薦めだという。食卓に上る機会が多いパンは、脂質が多い点には注意が必要だ。栄養バランスも考え、南さんが提案するのが、タンパク質やビタミンなどを一緒に摂取できる「野菜あんかけ焼きうどん」だ。ビタミンB群が多い豚肉や小松菜を具材にする。「あんかけは温かいまま、ゆっくり食べることができ、食後の満腹感が続きやすい」と利点を語る。 小麦アレルギーがある子どもがいる場合には、うどんの代わりに、コメを原料とするビーフンを使う手も。原料のコメは海外産のため、大手メーカーによると今のところ値段に大きな変動はなさそうだ。また、豚肉をこま切れからバラ肉にするとコクが出る。部活動などでスポーツをしている子どもがいる家庭では、よりタンパク質が多いサラダチキンを使ってもいい。 さらに、手頃な価格になってきたジャガイモを使ったニョッキも一案。南さん考案のレシピでは、アレルギー面に考慮し、小麦粉の代わりに片栗粉で調理した。粉チーズとパセリを入れることで、カルシウムとタンパク質、ビタミンB、Cも補える。「こねる作業は、子どもと一緒にやっても楽しめる」と推す。 ただ、「コメはエネルギー源として重要。どんなおかずとも合うため、栄養バランスも取りやすい」と南さん。「節約しつつも、日々の料理に取り入れてほしい」と話している。
◆野菜あんかけ焼きうどん
【材料・4人分】ゆでうどん4玉、豚こま切れ肉200グラム、小松菜200グラム、ニンジン2/3本(100グラム)、モヤシ200グラム、ごま油小さじ2、<A>めんつゆ(3倍濃縮)大さじ4、おろしショウガ小さじ1、水400ミリリットル、<B>片栗粉大さじ3、水大さじ3 【作り方】<1>小松菜は3センチ長さに切る。ニンジンは細切りにする<2>うどんを耐熱皿に載せ、ふんわりとラップをし、レンジでゆで時間通り加熱。水で洗って水気を切る<3>フライパンにごま油を入れて中火で熱し、豚肉を色が変わるまで炒める。小松菜、ニンジン、モヤシを加えて炒める。うどんと<A>を入れてふたをし、弱火で3分ほど煮る<4><B>を加えてとろみがつくまで混ぜながら煮る。器に盛り付ける。
◆ジャガイモのニョッキ
【材料・4人分】ジャガイモ中4個(400グラム)、片栗粉90グラム、粉チーズ大さじ3、パセリ適量、タマネギ120グラム、ニンジン70グラム、シメジ100グラム、ブロッコリー100グラム、ベーコン70グラム、コンソメ3グラム、水50ミリリットル、トマト缶1缶、サラダ油大さじ1、おろしニンニク小さじ11/2、塩こしょう適量 【作り方】<1>ジャガイモは、皮付きのまま耐熱ボウルにいれてラップをし、500Wの電子レンジで5~6分加熱する<2>熱いうちにジャガイモの皮をむきフォークでつぶす。片栗粉と粉チーズ、パセリを加えて、よくこねる<3>(2)を小さじ1強ほど手に取り、丸めて平たくつぶす。フォークの背を軽く押し当て、溝をつくる<4>ソース用にタマネギを薄切りにし、ニンジンは半月切りに。ベーコンは1センチ幅に切る。ブロッコリーを一口大に切り、ゆでる<5>フライパンにサラダ油、おろしニンニクを入れ、ニンジン、タマネギ、ベーコン、シメジを炒める。トマト缶、水、コンソメを入れて煮込む<6>(3)を沸騰した湯で、さっとゆがく<7>ニョッキを器に盛り、(5)をかける。
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