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 自民党が安倍派と二階派の議員らの処分を発表しました。 安倍派幹部の処分の重さには差がありました。

■自民・党紀委員会 安倍派幹部 処分に差

 安倍派と二階派の幹部の処分です。

 自民党の処分は8段階で、『除名』が最も重い処分です。

 二番目に重い『離党勧告』となったのが、安倍派の塩谷座長、世耕参院安倍派会長です。その次に重い『党員資格停止』は3人。安倍派の下村元事務総長と西村元事務総長は1年、高木事務総長は6カ月の党員資格停止です。

 上から6番目に重い『党の役職停止』が、安倍派の萩生田前政調会長、松野元事務総長、そして、二階派の武田事務総長、林元事務総長、平沢元事務総長で、期間は1年です。

 二階派の会長・二階元幹事長と岸田派の会長だった岸田総理は、処分されませんでした。

安倍派・二階派幹部の処分 この記事の写真は15枚

 処分の対象者39人は、派閥の幹部の立場でありながら、適正な対応をとらず政治不信を招いた者、または、過去5年間で不記載額が500万円以上です。

 茂木幹事長は、500万円の線引きについて、「5年間で500万円は、年間3桁に上る。派閥からの指示であっても、管理責任等々検討する必要がある」としています。

処分の対象者39人

 茂木幹事長は、安倍派幹部の処分に差がついた理由について説明しました。

 党紀委員会の審査で、政治責任が極めて重いとされたのは、会長がいない中で安倍派の一番高いポストの座長と参院安倍派会長で、塩谷座長と世耕参院安倍派会長が該当します。

 2人は今回の処分の中で最も重い『離党勧告』となりました。

 政治責任が重いとされたのは、パーティー収入について話し合う重要な会議に出席していた幹部で、塩谷座長、世耕参院安倍派会長、下村元事務総長、西村元事務総長、パーティー収入のキックバックが復活した22年9月時点の事務総長だった高木事務総長です。

 下村元事務総長と西村元事務総長の2人は、『党員資格停止1年』となりました。高木事務総長は、『党員資格停止6カ月』となりました。

安倍派幹部の処分に差がついた理由

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■離党勧告の塩谷氏 「まるでスケープゴート」と猛反発

■離党勧告の塩谷氏 「まるでスケープゴート」と猛反発

 離党勧告を受けた塩谷座長が執行部を批判しています。

 塩谷座長の不記載額は234万円で、処分対象者で下から2番目です。いわゆる安倍派5人衆のメンバーではありません。

 塩谷座長は離党勧告を受けて、「非常に厳重な処分で残念。処分の判断理由について、説明を聞いてみたい」と話しました。

離党勧告を受けて

 塩谷座長は、処分決定前に弁明書で自身の処分について、「まるでスケープゴート(いけにえ)のように『清和政策研究会(安倍派)』の一部のみが、確たる基準や責任追及の対象となる行為も明確に示されず、不当に重すぎる処分を受けるのは納得できず、到底受け入れられない」と主張しています。

塩谷座長 自身の処分について

 さらに、党幹部を批判しています。

「党の少数の幹部により、不透明かつ不公平なプロセスで処分を実質的に決定することは、自由と民主主義に基づく国民政党を標榜するわが党そのものの否定であり、独裁的・専制的な党運営には断固として抗議する」

塩谷座長 弁明書で党幹部を批判

 そして、岸田総理については、「清和研と同様に、関係者が起訴された総裁派閥を率いてきた、その道義的・政治的責任も問われるべきだ」としています。

塩谷座長 岸田総理について

 『離党勧告』を受けるとどうなるのでしょうか。

 勧告に従わなければ除名となります。 離党すると党の公認を得られず無所属で出馬することになります。比例復活はありません。政党からの資金提供はありません。

「離党勧告」でどうなる?

 前回、2021年の衆院選挙では、塩谷座長は小選挙区で落選し、比例で復活しています。

 地元・静岡の地方議員は、「塩谷氏は、自民党の勢いによって勝ったり負けたりがあった。今までの中で一番厳しい状態ではないか」と話しています。

前回の衆院選挙(2021年)

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■安倍派5人衆 当初の処分案から変更の舞台裏

■安倍派5人衆 当初の処分案から変更の舞台裏

 安倍派5人衆の処分は、当初の案から変更されたことが、政治ジャーナリストの田崎史郎さんの取材でわかりました。

 『離党勧告』が世耕参院安倍派会長、『党員資格停止』が西村元事務総長と高木事務総長、『党の役職停止』が萩生田前政調会長と松野元事務総長です。

安倍派5人衆の処分

 しかし、当初の案では、『離党勧告』が世耕参院安倍派会長と西村元事務総長の2人、『党員資格停止』が高木事務総長、萩生田前政調会長、松野元事務総長の3人と、今回決まった処分より厳しい案となっていました。

当初の処分案では

 なぜ、処分変更になったのでしょうか。

田崎さんです。
「当初の案は、党内の反発を受け茂木氏らが調整した。萩生田氏、松野氏は、『選挙における非公認』という案もあったが、最終的にさらに緩い処分となった。茂木氏としては、次の総裁選を見据えて安倍派に配慮することで、今後、協力を得たいのでは」

処分変更の経緯

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■岸田総理、岸田派トップの“処分なし” 批判も

■岸田総理、岸田派トップの“処分なし” 批判も

 岸田派のトップだった、岸田総理の責任です。

 岸田派では、約3000万円の不記載によって元会計責任者が有罪になりましたが、岸田総理への処分はありませんでした。

岸田派トップである岸田総理の処分は

 なぜ、処分の対象外になったのでしょうか。

 岸田総理は、「個人として不記載がない。岸田派の不記載は事務疎漏によるもので、結果的に不記載となった金額が個々の所属議員に渡ったものではなく、検察当局からも支出について特段の問題があるとはされていなかったことなどから、対象とならなかったと承知している。私自身の責任については、最終的には国民や党員に判断いただく立場にある」としています。

なぜ処分の対象外に?

 総理の処分なしについて、不記載額994万円で『戒告』処分を受けた自民党の大塚議員です。
「岸田総理は岸田派の会長であったので、どのように責任を取るか、本人がこれから判断するのでは。今回の処分のプロセスについては、党紀委員会の手続きが短時間で、極めて強い不信感を持っている。強く憤りを覚えている」

 立憲民主党の泉代表は今回の処分について、「(岸田総理の処分見送りを含めて)今回の処分は非常に恣意的だと感じる。自民党内の党内抗争でやっているんじゃないかと。全く国民不在の処分だということが言える」としています。

“処分なし”に批判も

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年4月5日放送分より)

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