これまで公明党の候補がいる関西の選挙区では、候補者擁立を見送ってきた日本維新の会。今回、維新はその方針を変え、大阪や兵庫の6つの選挙区で、初めて維新と公明が全面対決になっています。その象徴が大阪16区です。立憲民主党の候補も立ち、三つ巴の大激戦になっています。
■維新×公明×立憲 激戦の行方は
公明党の小選挙区9議席のうち4つがある大阪。“常勝関西”と呼ばれ、議席を死守してきました。
この記事の写真 公明党・山口那津男常任顧問 「“なっちゃん”と呼んでいただいて15年間、堺の皆さんに支えていただいたこと、心から感謝と御礼を申し上げます」公明党公認、自民党推薦の山本香苗候補(53)。参議院議員を4期23年つとめ、今回、くら替え出馬。ここ大阪16区は、今回、引退した北側一雄副代表が、長年、議席を守ってきた“公明党の牙城”で、その後継を狙います。
公明党・山本香苗候補 「なんたって、いちばん最初にやらなきゃいけないのは、政治に対する信頼回復。それをやらずして何をやるんだと思いますが、皆さんどうでしょうか?」17日に開かれた、総決起大会では約50の業界団体が名を連ね、490人が参加しました。
全日本トラック事業政治連盟・坂本克己最高顧問 「何としても山本香苗候補を、公明党発祥の地だから、大阪は、堺は。皆さん、票や票。取って、取って、取りまくる会にきょうはしましょうや」山本氏は、物価高対策や、子育て負担の軽減などを訴えています。
公明党・山本香苗候補 「とにかく私自身、すべてを投げうって、今までの経験も含めて、この堺のために、この国のためにお役に立つんだということを、しっかりと1人1人に伝えられるように頑張っていきたい」公明党に対し、初めて候補者をぶつけてきた日本維新の会。大阪では、都構想への協力と引き換えに、維新は、公明候補が立つ小選挙区への擁立を控えてきました。それが一転、大阪府と大阪市、両議会で過半数を獲得したことで、公明党への配慮が不要になったのです。
日本維新の会・吉村洋文共同代表 「裏金政治をやるような所はもうやめましょう。自民党、裏金議員が大阪でも立候補して、そしてそれを推薦・応援するのが公明党。この自民党、公明党の裏金政治のやり方、ここはやっぱりね、ぎゃふんと言わせないと、古い政治がこれからも続いてしまいます」維新が擁立したのは、地元・堺市議出身の黒田征樹候補(44)。
日本維新の会・黒田征樹候補 「我々は既得権に立ち向かって、そして改革を前に進めて、生みだした財源は、次の世代にどんどん投資していく。この改革を今こそ日本全国で広げていかなければいけません」選挙カーを極力使わず、地域をくまなく歩きながら支持を訴えるという黒田氏。市議選では、この手法で、トップ当選を果たしてきたといいます。
日本維新の会・黒田征樹候補 「歩いたルートがわかるやつ。これでずっと、どこ歩いたか把握しながら、くまなく回ろうかなと思います。一応、中学校区は、すべて歩いて回ろうと思っています」今回は、維新が推薦した兵庫県知事の問題など、風当たりも強まるなかでの選挙戦です。
日本維新の会・黒田征樹候補 「昔のがむしゃらさというのが、組織全体的に薄れて来ているのは、あるんかなと。維新とは何や、改革政党やというところはね、ちゃんと打ち出していかないと」立憲民主党の森山浩行候補(53)は、選挙カーで自らのキャッチフレーズを連呼し、市内をくまなく回る作戦です。車が入れない狭い道は、自転車に乗り換え、訴えます。
立憲民主党・森山浩行候補 「元気モリモリ、森山浩行です。政権交代で政治の大掃除」これまで、公明党と接戦を繰り広げ、直近2回は、比例復活で議席を維持してきた森山氏。19日、応援に駆け付けた党の前代表が訴えたのは、やはり『政治とカネ』の問題でした。
立憲民主党・泉健太前代表 「最終、最後出てきたのが、あの10年で公開の政策活動費ですよね。維新と公明と自民党によって、この10年後という全くおかしなルールが、ついこの前の国会で決められたんですよ」 立憲民主党・森山浩行候補 「国民の皆さんにとっては、今の政治を続けるのか、それとも変えるのか。やっぱり今の自公政権が続くかぎりは裏金の問題は解決しない。政権交代で政治の大掃除」森山氏は、小選挙区での勝利に向け、さらなる支持を呼び掛けています。
立憲民主党・森山浩行候補 「維新、公明が仲間割れした選挙です。そんな古い維新、公明の政治を変えていきましょう」 この記事の写真を見る鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。