税を巡る議論がついに本格始動。国民民主党の「手取りを増やす」公約は実現するのか。政治部記者が解説します。
■政務官も“始動” その役割は?
過半数割れで厳しい船出になった第二次石破内閣。注目された1つが、女性の登用です。
生稲晃子参院議員(56)が外務政務官に。
外務政務官に起用 生稲晃子参院議員
「精一杯与えていただいたお仕事を頑張って参ります。よろしくお願いします」
「(Q.特にこの点に力を入れていきたいことは?)それはもうこれから」
今井絵理子参院議員(41)が2度目の内閣府政務官に選ばれるなど副大臣と政務官に女性6人が起用されました。
また、いわゆる“裏金議員”の登用はありませんでした。
政務官の役割は。裏金議員を排除したので人材難…。
政治部(与党担当) 森洋介記者
「政務官というのは、大臣を補佐する政務三役の一人で、若手議員がつくポスト。政府高官は今回の人事を『安全運転だ』と話しています。裏金問題への厳しい目がいまだに続いているとして、こういう判断をしましたが衆院選でそもそも議員の数が減り、人選は難航したようです」
その国会で、キャスティングボートを握る国民民主党。与党への要求は「年収の壁の引き上げ」だけではないようです。
税制改正を巡り、国民民主と自民、国民民主と公明3党が相次いで税調会長を含めた税制協議を行いました。いよいよ、実務者の協議が始まったのです。
国民民主党 古川元久税調会長
「きょうは2党でやりましたけど、次回からは3党でやりましょうと」
国民民主党側は「年収103万円の壁」の見直しのほか、「時限的な消費税の引き下げ」も求めるとみられます。実質賃金が持続的にプラスになるまでの間、一律5%に引き下げるというものです。
また、ガソリン税の暫定税率を廃止するガソリン税減税や電気・ガス代の引き下げ、賃上げをした中小企業に減税で支援することなどを要求するとみられます。
しかし、財源をどうするかなど簡単なことではありません。
■“手取りを増やす”公約実現は可能?
「壁」以外の手取り増の要望、実現は可能なのでしょうか。まずは103万円の壁について。
政治部(与党担当) 森洋介記者
「ある税調幹部は『理屈ではなく最後は石破総理の政治決断だ』と話しています。一方で178万円まで引き上げると、税収が7兆円から8兆円減ると見込まれていて、『引き上げ幅を抑えるべきだ』という声も多くあります。このため与党内からは国民民主党が基準としている『最低賃金の上昇率』ではなく、変動が小さい『物価の上昇率』をもとに算定する案も出ています」
では、他の要望については、どうでしょうか。
政治部(与党担当) 森洋介記者
「税収減が課題となるなかで年収の壁の引き上げとガソリン減税を同時にやるのは難しいとの声も出ています。ガソリン減税についてはこれまでにやってきたような一時的に補助する形でいいのではないかと話す人もいます。また消費税の減税には与党の税調幹部の1人は『議論にもならないだろう』と突き放していて否定的です。例年12月中旬には税制改正大綱をまとめますが、仮に年収の壁を引き上げることになったとしても実際に制度が始まるのはさらに先の話となります」
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