お正月の風物詩として親しまれてきた「年賀状」が絶滅の危機です。

今年、福岡で起きている変化を取材しました。

早いもので今年も残すところあと1カ月半。

そろそろ準備を進めるものといえば「年賀状」です。

日頃、お世話になっている人たちに感謝の気持ちを伝えるお正月の風物詩として親しまれてきましたが、年々「年賀状離れ」が進んでいるといいます。

福岡の人たちはどうなのか?

街で聞いてみるとー

◆出す人(50代)
「年賀状は出す予定です。この時じゃないと連絡がとれない人がいるので、一応まだ」

◆考え中の人(60代)
「値段が上がってきているし、出す件数も減ってきているので、考えています」

◆出さない人(40代)
「やっぱり値上げもしたので。LINEとかもあるので、そういう身近な手段で送れるので、わざわざ“はがき”まではいいかなという感じです」

◆出さない人(80代)
「ほとんど出さないね。近いところはほとんど電話で。電話の方がいろいろお話できるじゃないですか」

街で話を聞いてみると、約8割の人たちが「年賀状は出さない」と答えました。

スマートフォンの普及によってSNSなどを通じて年始の挨拶を行う人たちが増えていて、今年10月に郵便はがきの値段が63円から85円に値上げされたことも「年賀状離れ」をさらに加速させているようです。

そんな中、年賀状を扱う売り場にも「ある変化」がー

◆天神ロフト 牛嶋典子さん
「昨年と違って大幅に種類が増えたのが『年賀状じまいはがき』といった『今年で年賀状は最後になりますが、今後ともよろしくお願いします』といった文面が入った種類が増えております」

天神ロフトでは、『年賀状じまい』を伝える文章が印刷されたハガキを去年の1.5倍、15種類ほどに増やしました。

特に高齢者に人気だということです。

◆天神ロフト 牛嶋典子さん
「(去年は)そうそうに売り切れてしまって、お客様にご迷惑をおかけしてしまったので、今年は種類も数も増やして準備しております」

さらに、今年は『年賀状じまい』のシールも新たに登場。

通常の年賀状に貼って使用することができます。

年賀状を最後にしたい人がいる一方、「心をこめた1枚」を書き続けたいという人もー

◆80代
「温かみがあるよね。書き続けたいね、やっぱり」

◆40代
「1年に1回しかやりとりしない人もいるので、そういった人たちに近況報告を」

◆50代
「会えない人に元気かどうか繋がりがもてる」

◆60代
「ずっと交流がなくて、年賀状で『今どうしている』というのを近々で聞けるので、その辺はうれしい部分はある」

天神ロフトでは、今年も引き続き、来年の干支「巳(へび)」が印刷されたデザインなど様々な年賀状を販売しています。

◆天神ロフト 牛嶋典子さん
「いろんな種類がございますので、送る相手のことを考えながら、こういったものだと喜んでいただけるかなと思って選んでいただけたらいい」。

新年を迎える喜びを伝える年賀状。

年賀状の発行枚数は、ピークの2003年度には44億6000万枚でしたが、年々減っていき、今年度の年賀状は10億7000万枚です。

昨年度と比べると25%減っていて、減り幅としては過去最大だという事です。

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