もしあなたが突然亡くなったら、あなたのネットバンク口座や、サブスクの契約はどうなってしまうのか?そもそも、あなたの情報が詰まっているスマホのロックは解除できるのか?社会のデジタル化が進む中で実際このような問題に直面し、消費生活センターに相談が寄られているとして、国民生活センターは20日、「デジタル終活」について情報提供した。
国民生活センターに寄せられた相談事例によると、60代男性の兄が亡くなった際に、ネット銀行の手続きをするために兄のスマホを開こうとしたが開けず、携帯電話会社の店舗でスマホ画面のロックを解除して欲しいと依頼したが、「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と言われ、デジタル遺品の確認が出来なかったという。
また夫を亡くしたという80代の女性は、クレジットカードの利用明細書に、約1000円の不明な請求があるのを見つけ、カード会社に問い合わせると、「スマホのセキュリティのサブスクではないか」と言われたという。携帯電話のキャリアに相談すると請求元を教えてもらえたので、サブスクの事業者に問い合わせると、「すぐに解約するためにはIDとパスワードが必要だ」と言われ、わからないと答えると、「IDとパスワードがわからなければ、すぐには解約できない」と言われたという。
弟を突然亡くしたという50代の女性は、弟が以前「コード決済サービスに数万円入金したが使っていない」と聞いていたので、相続の手続きについてカスタマーサポートに電話で尋ねたという。指示に従って必要な戸籍謄本や住民票等を送付しているが、1か月たっても残高がいくらあるのかも回答がなく、何度尋ねてもお待ちくださいとしか回答がないとして消費生活センターに相談してきた。
こうしたトラブルを避けるため、国民生活センターは、万が一のためにスマホやパソコンのロックを解除するパスワードを残しておく事を提言している。ただパスワードを第三者に見られるリスクを避けるために、パスワードを記入した紙に修正テープを重ね張りして読めなくしておき、亡くなったらテープを削ってパスワードを確認する手法が有効だという。もし生前に修正テープが削られているのを見つけたら、パスワードをすぐに変更すれば良い。
また、ネットバンクなどの資産やサブスク契約などは、サービス名やID、パスワードを日頃から整理しておくことや、エンディングノートの活用も勧めている。
さらに、Apple、Googleでは、アカウントの保有者が亡くなった際に、誰がそのアカウント情報にアクセス出来るようにするのかを設定できるサービスを提供しており、事前に登録することでデジタル遺品の確認をしやすくする方法もあるとしている。
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