岩手県の北西部に位置する八幡平市には、その土地の特徴を示す地名があるという。
長年にわたり県内各地の地名について調査し、著書も手掛けている奥州市出身の宍戸敦さんと地名の由来を探る。

八幡平を中心とした山々は「十和田八幡平国立公園」に指定されている。

宍戸敦さん
「八幡平一帯の特徴は沼がありその周辺に湿地帯があるということ。柔らかい処という意味の『ヤハ(柔)・タ(処)』→『やはた』→『はちまん』という形で変化したと言われている」

この辺り一帯の特徴である湿地や沼が由来して「八幡」になったといわれている。

Q:八幡平(はちまんたい)の「平(タイ)」はどんな由来があるのか?
宍戸敦さん
「『平(タイ)』という字は読み方によって色々意味が違ってくる。例えば八幡平の『平(タイ)』は山岳地帯の湿地や台地を意味している」

八幡平の「平(タイ)」は湿地や台地を意味し「八幡」もまた湿地の意味があることで、湿地の印象が強い土地だと言える。

読み方によって捉えられる地形が異なるという「平」という漢字は、「タイ」の他に、山間部にある小さな平地と捉えることができる「タイラ」や、斜面と捉えることができる「ヒラ」が、よく地名に使われているという。

八幡平市には、他にもこの漢字を使った地名「平笠(ひらかさ」がある。

平笠地区は岩手山の北東部からふもとに広がる地域で、全国的にも珍しい女性による「平笠裸参り」や、国の特別天然記念物にも指定されている「岩手山・焼走り熔岩流」などで知られている。

「平笠(ひらかさ)」は岩手山頂上付近からふもとに向かって広がる地域で岩手山にかかっている部分は殆どが斜面になっている。
地名にある平(ヒラ)からも地形の特徴を知ることができる。

宍戸敦さん
「岩手山は平笠の笠の形に似ている。もしかしたら平笠の由来は、この笠の形が由来のひとつとしてあるのかもしれない」

この土地の傾斜と立派な岩手山。
もしかしたら、このような景色を見ながら平笠という地名が生まれたのかもしれない。

焼走り国際交流村では、晴れていれば岩手山の絶景を楽しみながらゆったりした時間を過ごすことができる。

焼走り国際交流村にご当地メニュー『焼走り溶岩からあげ』がある。
まるで溶岩のような真っ黒な唐揚げ。この黒い衣には竹炭を使って黒を表現している。マグマに見立てたカレー風味のソースをかけて食べる。

地名を訪ねて、その土地ならではの食をあじわうのも地名散歩の魅力の一つだ。

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