鳥インフルエンザが過去最悪に匹敵するペースで発生していることを受け、農林水産省は21日、全国の都道府県らと初の緊急対策会議を開いた。江藤拓農水相は「卵の需給や価格、国民の皆様方の食卓にも大変な影響を及ぼすことがある。とにかく防疫対策の徹底を」と呼び掛けた。

 鳥インフルエンザは、10月17日に北海道で確認されて以降、島根、香川、千葉など各地で発生。これまで感染のなかった九州でも、20日に鹿児島で確認された。20日時点で、8道県10事例、121万羽が処分され、過去最悪だった2022年は同時期で10道県13事例272万羽が処分されているが、これに匹敵するペースだという。

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 今シーズンの10事例のうち、2022年以降に一度感染が確認された農場での再発が3事例。会議では、都道府県に対して需給への影響が懸念される20万羽以上を飼育する大規模養鶏業者や、すでに鳥インフルエンザが発生している、リスクが高い地域の農場に点検を徹底するように呼び掛けた。

 農水省が19日に発表した食品価格調査の卵1パックの値段は264円(10個入り)で、同月の過去5年平均より14%高くなっている。(座小田英史、山田暢史)

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