幼いころ、兄弟や友だちと「あや取り」で遊んだという人も多いのではないでしょうか?そんなあや取りに魅せられ、全国でわずか32人しか持っていない資格を取得した小学5年生を取材しました。
「こんにちは、よろしくお願いします」
出迎えてくれたのは、鹿児島県鹿屋市に住む小学5年生、深川凱雄(かいおん)くん。好きな科目は社会と算数。宿題に励む姿は、一見普通の小学生に見えます。
庄村奈津美記者「そんな凱雄くんが…得意なものは何ですか?」
凱雄くん「これです」
庄村記者「そう、あやとり!なんですね」
輪っかになったひも一本で様々な形を表現するあやとり。まずは凱雄くんの腕前を見せてもらうことに。複雑に指とひもを絡ませてできたのが…
凱雄くん「出来ました。七夕です」
庄村記者「星になってるね!」
(スタッフ:工程がいっぱいあるはずなのに一瞬でできましたね)
庄村記者「本当!」
凱雄くん「そして…天の川」
庄村記者「天の川まで!この、一連の流れがあるんですね!?レベルとしては?」
凱雄くん「初級」
庄村記者「え、それで初級なの!?」
凱雄くん「はい」
出だしからいきなりハイレベルな技を繰り出す凱雄くん。
凱雄くん「友達に難しい技とか教えてあげるときが嬉しいなと思います」
あや取りを初めて5年。興味を持ったのは、幼稚園生の時でした。2歳上の姉・鈴麗(りんれい)さんが親から買ってもらったあや取りの本がきっかけだったそうです。
凱雄くん
「お姉ちゃんがはまっていて、僕もやろうかなと思った」
「お姉ちゃんは飽きて、こっち(自分)は、はまって」
母・都さんは、凱雄くんにあやとりを教えたことはなく、いつの間にかできるようになっていたと笑います。
凱雄くんの母親 都さん
「まさか、あやとりにはまるなんて思っていなくて、こんなに技が出来ているなんて知らなかったです。急にできたのを見せに来て、見たことないあやとりをやりだして、『えっ!』ってこっちがびっくりしたくらいです」
あや取りの面白さに魅せられた凱雄くん。2023年10月に「あやとり教室指導員」という資格を取得しました。講習会やイベントを開いて、あや取りを教えることができる民間の資格で、実は全国でも32人しかいません。鹿児島県内でこの資格を持つのは凱雄くんただ1人です。
庄村記者「難しい技とかあったんじゃないですか?」
凱雄くん「上級技とか中級技くらいかな」
あやとり教室指導員になるには初級から上級の10種類の技の習得のほか筆記試験にも合格しなければなりません。
凱雄くん「(無駄のない動きで指を動かし)「はい」
庄村記者「わ!鳥が出来てる!!…白鳥?
凱雄くん「はい。白鳥です」
こちらはあやとり教室指導員になるため、凱雄くんが必死になって練習したという上級の技の一つ「白鳥」。首からくちばしにかけての曲線が見事な作品です。
これは、同級生に何度も教えてほしいとせがまれたのが「はしご」。凱雄くんの手にかかれば、あっという間です。
庄村記者も「はしご」に挑戦してみました。
凱雄くん「中指でこの三角形の穴の中に…」
庄村記者「あ、あるある。三角形ある」
凱雄くん「この状態で小指をそっと外して…前に出す」
庄村記者「ジャン!できた~!」
お手本を見せながらのわかりやすいお手本を見せながらの分かりやすい解説で、指導者としての腕も間違いなさそうです。
庄村記者「どんな指導員になりたいですか?」
凱雄くん「優しく教えてあげたり、もっと教えられる技を多くしようかなって」
「あやとりを出来て、また教えて、その人がまた教えて、って。輪を広げたいなと思います」
あやとり名人、凱雄くん。
これからもその小さな両手であやとりの巧みな世界にたくさんの人をいざなうことでしょう!
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