津市のふるさと納税返礼品に登録された「七栗脳ドック」をPRする(左から)湯元榊原館の前田諭人社長、七栗記念病院の大高洋平院長、津市の浅生伸之久居総合支所長=津市大鳥町で2024年11月19日午後2時36分、下村恵美撮影

 藤田医科大学七栗記念病院(津市大鳥町)は19日、「くつろぎ温泉 七栗脳ドック」を津市のふるさと納税返礼品(寄付額11万2000円)に登録したと発表した。榊原温泉施設と協力し、温泉と昼食をセットにして健康診断を提供するプラン。すでに専用サイトで申し込みが始まっている。

 関係者によると、脳ドックを返礼品とする自治体はあるが、温泉などと組み合わせた例はまれ。病院は年齢を問わずに予防としての受診を勧めている。また、脳卒中などの発症は50~70代にかけて多いことから「両親へのプレゼント」などとして若年層にも関心を持ってほしい考えだ。

 清少納言が「枕草子」で名湯とたたえた榊原温泉は多い時で年間40万人の観光客を受け入れていた。しかし、10年ほど前から減少し、約10件あった宿泊施設も半減したという。そのため、既存の資源で再生に取り組もうと、地域と病院が連携して2022年に脳ドックと宿泊をセットにしたモニターツアーを企画した。

 このツアーが好評で、翌23年10月、脳ドックに温泉と食事を組み合わせることで更に受診のハードルを下げた「七栗脳ドック」を企画。「ご褒美があれば検査だって“おでかけ”になる」をキャッチフレーズにPRしたところ、約1年間で151人が利用予定。利用者の半数以上は津市内だが、愛知県や滋賀県などからの利用者もいた。

脳ドックの受診とセットで楽しめる榊原温泉(イメージ)=津市榊原町で2024年11月19日午後3時13分、下村恵美撮影

 こうした健康長寿社会への取り組みが評価され、返礼品への登録が決定。大高洋平院長は「脳ドックをきっかけに医療と地域の力を連携して価値を高めていきたい」と話す。

 また、津市久居総合支所の浅生伸之所長は「特産品の返礼品が多いなか、健診で榊原温泉に来てもらえれば津市にとってもありがたい」と喜んでいる。

 「七栗脳ドック」プランでは、七栗記念病院で頭部MRIや認知症スクリーニングなどの検査を受け、診断はひさい脳神経外科クリニック(津市久居明神町)の古川和博院長が担当する。温泉と食事は榊原温泉の湯元榊原館▽神湯館▽湯の瀬ラムちゃんパーク――3施設から選ぶことができ、料金は税込み3万3000円。

 予約や問い合わせは、同病院放射線課059・252・3036へ。【下村恵美】

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